非上場株式の遺産分割の方法 審判での現物分割・代償分割・換価分割

父が経営していた会社の株式を、兄と私の2人で相続しました。兄は会社を継いでいて、株式は全部自分が取得すると言います。私は株式の代わりに相応の金銭を受け取りたいのですが、兄は「払う金はない」と述べ、話合いは何年も進みません。調停でもまとまらなければ、裁判所は株式をどのように分けるのでしょうか。当事務所には、このようなご相談が寄せられています。
遺産分割の方法には、現物分割、代償分割、換価分割及び共有分割の4つがあります。不動産や預貯金であれば、どの方法を採っても結果の見通しは立てやすいのですが、非上場株式は事情が異なります。株式には会社の経営権が結び付いています。また、市場で自由に売ることもできません。そのため、どの方法を選ぶかによって、取り分の額だけでなく、会社を誰が支配するのかという結論まで変わります。
結論から申し上げます。審判では、株式を取得する相続人に代償金を支払う力があれば代償分割が選ばれやすく、その力がなければ、株式を株数で分ける現物分割や共有のままとする分割に至ることがあります。代償分割を望む側も、株式の取得を望む側も、代償金の原資と株式の評価を早い段階で示すことが重要です。以下、順を追ってご説明します。
遺産分割の4つの方法と、非上場株式に当てはめた場合の特徴
遺産分割の方法は、民法に一覧として定められているわけではありませんが、家事事件手続法第194条(遺産の換価を命ずる裁判)及び第195条(債務を負担させる方法による遺産の分割)を手掛かりとして、実務上、次の4つに整理されています。
現物分割
遺産そのものを、そのままの形で各相続人に割り当てる方法です。非上場株式であれば、例えば発行済株式1,000株のうち被相続人が保有していた600株を、兄に400株、弟に200株というように株数で分けることになります。株式は1株単位で分けることができますので、形式上は現物分割が可能です。
代償分割
特定の相続人が遺産を取得し、その代わりに他の相続人に対して金銭(代償金)を支払う方法です。家事事件手続法第195条は、家庭裁判所は、遺産の分割の審判をする場合において、特別の事情があると認めるときは、共同相続人の一人又は数人に他の共同相続人に対する債務を負担させて、現物の分割に代えることができると定めています。後継者に株式を集中させ、他の相続人に金銭を渡すという解決は、この方法によります。
換価分割
遺産を売却して金銭に換え、その代金を分ける方法です。家事事件手続法第194条第1項は、家庭裁判所は、遺産の分割の審判をするため必要があると認めるときは、相続人に対し、遺産の全部又は一部を競売して換価することを命ずることができると定め、同条第2項は、相当と認めるときは任意に売却して換価することを命ずることができると定めています。
共有分割
遺産を相続人の共有として取得させる方法です。分割の手続は終わりますが、共有の状態は残ります。非上場株式の場合、準共有の状態が続き、議決権の行使には権利を行使する者の指定が必要な状態が続きます。
| 分割の方法 | 非上場株式に当てはめた場合の結果 | 主な問題点 |
|---|---|---|
| 現物分割 | 各相続人が株数に応じて株主となります | 議決権が分散し、会社の意思決定が難しくなることがあります。株式を取得しても換金の手段が乏しい相続人が生じます |
| 代償分割 | 株式は特定の相続人に集まり、他の相続人は代償金を受け取ります | 代償金の額の基礎となる株式の評価で争いになります。取得する相続人に支払の資力が必要です |
| 換価分割 | 株式を売却し、代金を分けます | 譲渡制限株式は買い手を見付けにくく、売却の価格が低くなりやすい傾向があります |
| 共有分割 | 相続人が株式を準共有したまま取得します | 権利行使者の指定をめぐる対立が残り、紛争が先送りになります |
遺産分割が終わるまで、株式はどのような状態にあるか
相続分に応じて当然に分かれるものではありません
民法第898条第1項は、相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属すると定めています。株式も相続財産ですから、遺産分割が終わるまでは共同相続人の準共有に属します。預金の払戻しのように、法定相続分に応じて当然に各相続人の株式に分かれるものではありません。
この点は、遺産分割の方法を考える前提として重要です。「法定相続分が2分の1だから、自分は300株の株主である」とは言えず、遺産分割によって初めて、誰が何株を取得するのかが定まります。遺産分割の効力は、民法第909条本文により相続開始の時にさかのぼります。
議決権の行使には権利行使者の指定が必要です
会社法第106条本文は、株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができないと定めています。
権利を行使する者の指定について、最高裁判所平成9年1月28日第三小法廷判決(集民181号83頁)は、有限会社の持分を相続により準共有する共同相続人の事案において、持分の価格に従いその過半数をもって決することができると判断しました。また、最高裁判所平成27年2月19日第一小法廷判決(民集69巻1号25頁)は、共有に属する株式についての議決権の行使は、特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられると判断し、あわせて、民法の共有に関する規定に従わない権利の行使は、会社が会社法第106条ただし書の同意をしても適法とならないと判断しました(判決が示した民法第252条の規定は、現在の同条第1項に相当します。)。
したがって、法定相続分が過半を占める相続人は、遺産分割が終わる前でも、権利を行使する者を自ら又は自らに近い者に定め、株主総会で議決権を行使することができる立場にあります。遺産分割が長引くほど、法定相続分の多い側に有利な状態が続くという構造を、分割の方法を考える際に念頭に置いていただく必要があります。権利行使者の指定の実務は、準共有株式の権利行使者の指定と売渡しの請求をご覧ください。
株式だけを先に分けることもできます
民法第907条第1項は、共同相続人は、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができると定めています。同条第2項は、協議が調わないときは、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができるとし、ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合には、その一部の分割を請求することはできないと定めています。
会社の経営を安定させるため、株式だけを先に分けたいという場面があります。もっとも、株式を先に分けてしまうと、残る遺産で代償の調整ができるかという問題が生じます。一部の分割を合意する際には、残る遺産の範囲と、最終的な取り分の計算の方法を書面で確認しておくことが大切です。
家庭裁判所は分割の方法をどのように選ぶか
分割の基準
民法第906条は、遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをすると定めています。非上場株式についていえば、「権利の種類及び性質」として、株式に経営権が結び付いていること、譲渡が制限されていること、市場価格がないことが考慮されます。「職業」及び「生活の状況」として、誰が会社の経営を担っているか、誰が会社と無関係に暮らしているかが考慮されます。
実務上の検討の順序
審判における分割の方法の選択は、実務上、まず現物分割を検討し、現物分割が不可能又は相当でない場合に代償分割を検討し、代償分割も難しい場合に換価分割を検討し、いずれも相当でない場合に共有分割を検討するという順序で考えられています。現物分割が原則とされるのは、遺産そのものを取得するという相続人の利益を尊重するためです。
もっとも、非上場株式の場合、株式を株数で分ける現物分割は、会社の経営に支障を生じさせ得るため、「相当でない」と評価される余地が大きいといえます。そこで、取得を希望する相続人に代償金を支払う力があるかが、事実上の分かれ目になります。
協議・調停と審判との違い
協議及び調停では、相続人全員が合意すれば、どのような分け方も採ることができます。株式を後継者が取得し、代償金を数年の分割払とする、あるいは会社が一部の株式を買い取ってその代金を代償金に充てるといった、柔軟な設計が可能です。
これに対し、審判は、裁判所が法律の枠の中で分け方を定める手続です。遺産の分割の調停が成立しない場合、家事事件手続法第272条第4項により、調停の申立ての時に審判の申立てがあったものとみなされ、審判の手続に移ります。また、同法第284条第1項は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、家庭裁判所が調停に代わる審判をすることができると定めています。審判に進むと、合意によれば採ることができた柔軟な設計は採りにくくなります。調停の段階で、審判に進んだ場合の見通しを踏まえて交渉することが、結果を左右します。
非上場株式を含む遺産の分け方がまとまらず、協議や調停が進まない方は、次のページを御覧ください。
代償分割を求める場合、求められる場合
「特別の事情」と代償金を支払う力
家事事件手続法第195条は、代償分割を「特別の事情があると認めるとき」に限っています。実務上、特別の事情としては、遺産が細かく分けることに適さない性質のものであること、取得を希望する相続人がいること、その相続人に代償金を支払う資力があること等が検討されます。非上場株式は、経営権と結び付いているため、細かく分けることに適さない典型的な財産です。
したがって、審判で問われるのは、主として代償金を支払う力があるかです。後継者が「株式は全部自分が取得するが、代償金は払えない」と述べる場合、その主張は審判では通りにくくなります。反対に、非後継者の側から見ますと、後継者の資力が乏しいことが明らかになると、代償分割ではなく現物分割や共有分割に至り、金銭を得られないまま株式の一部を保有することになるおそれがあります。
代償金の額は株式の評価で決まります
代償金の額は、株式をいくらと評価するかで決まります。遺産分割における評価は、実務上、分割の時点の時価を基準とし、相続税の申告のための評価額とは目的も基準となる時点も異なります。相続税の申告書の評価額をそのまま用いると、代償金が低く抑えられる結果となることがあります。
評価の考え方及び鑑定の進め方は、遺産分割における非上場株式の評価額の決め方に詳しく整理しています。本記事では、分割の方法を選ぶ際に評価がどう効いてくるかに絞ってご説明します。
代償金の原資をどう作るか
代償金の原資としては、次のものが考えられます。
- 株式を取得する相続人の自己資金
- 株式を取得する相続人が金融機関から借り入れる資金
- 株式を取得する相続人が他の遺産(預貯金、不動産等)を併せて取得せず、それを他の相続人に割り当てることによる調整
- 会社が相続人から自己株式を取得し、その代金を代償金に充てる方法
- 役員退職慰労金等、会社から支払われる金銭の活用
会社による自己株式の取得は、会社法第156条以下の手続によります。特定の株主から取得する場合には、原則として他の株主にも売主に加わる機会を与える必要がありますが(会社法第160条第2項・第3項)、会社法第162条は、相続人その他の一般承継人から相続により取得した株式を取得する場合にはこの規律を適用しないと定めています。ただし、公開会社である場合、又は当該相続人がその株式について株主総会で議決権を行使した場合は、この特則は使えません。また、取得の対価は分配可能額の範囲に限られます(会社法第461条第1項)。会社に自己株式の取得を義務付ける法律上の手段はありませんので、この方法は会社及び後継者との合意を前提とします。
税務上は、相続により取得した非上場株式を、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに発行会社に譲渡した場合、みなし配当課税の特例があります(租税特別措置法第9条の7)。詳しくは相続の開始から3年10か月 自己株式の取得の特例をご覧ください。税務上の取扱いについては、税理士にご確認ください。
代償金の支払を確保する方法
家事事件手続法第196条は、家庭裁判所は、遺産の分割の審判において、当事者に対し、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができると定めています。代償分割の審判では、代償金の支払が命じられ、その審判に基づいて強制執行をすることができます。
調停や協議で分割払を合意する場合には、支払が滞ったときに残額を一括して請求できる定め(期限の利益の喪失)、遅延損害金の定め、取得する株式に質権を設定する等の担保の定めを併せて検討します。株式を先に渡し、代償金を後で受け取るという順序は、受け取る側に大きな危険を残します。株式の名義書換と代償金の支払の時期を対応させる工夫が必要です。
遺産分割での非上場株式の評価額をめぐって、他の相続人と争いが生じている方は、次のページを御覧ください。
換価分割は非上場株式に向くか
競売又は任意売却を命ずる裁判
家事事件手続法第194条は、遺産の換価を命ずる裁判を定めています。同条第2項ただし書は、共同相続人中に競売によるべき旨の意思を表示した者があるときは、任意に売却して換価することを命ずることはできないと定めています。
非上場株式の換価が難しい理由
非上場株式の多くは、譲渡による取得に会社の承認を要する譲渡制限株式です。市場がなく、買い手は会社の経営に関心のある者に限られます。競売にかけても、会社の財務の内容を知らない第三者が適正な価格で買い受けることは期待しにくく、売却の価格は時価を大きく下回りやすいといえます。また、会社の経営に関係のない第三者が株主となることは、相続人全員にとって望ましくない結果となり得ます。
そのため、審判で非上場株式の換価分割が選ばれる場面は限られます。換価を目指す場合の現実的な相手方は、会社、後継者その他会社の経営に関わる者であり、その交渉は、遺産分割の手続と並行して、交渉や裁判により進めることになります。相続した株式を換価する手段の全体像は、相続した非上場株式を換価するための手段の全体像をご覧ください。
お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。
株数で分ける現物分割と共有分割の問題点
現物分割では議決権が分散します
株式を株数で分けると、各相続人がそれぞれ独立した株主になります。後継者が過半数を確保できなければ、取締役の選任等の決議ができず、会社の経営が不安定になります。他方、株式を取得した非後継者は、配当がなく、譲渡にも会社の承認が必要な株式を保有し続けることになり、換金の手段が乏しい状態に置かれます。
さらに、定款に相続人等に対する売渡しの請求の定めがある場合、会社は、相続その他の一般承継により株式を取得した者に対し、株主総会の特別決議を経て、株式を会社に売り渡すよう請求することができます(会社法第174条、第175条第1項、第309条第2項第3号)。この請求は、会社が相続があったことを知った日から1年を経過するとできなくなります(会社法第176条第1項ただし書)。売渡しの請求を受ける者は、その株主総会で原則として議決権を行使できません(会社法第175条第2項)。現物分割で株式を取得した相続人が、その後に売渡しの請求を受けることもあり得ますので、定款の確認は欠かせません。詳しくは相続人等に対する売渡しの請求を受けた相続人の防御の全体像をご覧ください。
共有分割では紛争が残ります
共有分割は、遺産分割の手続を終わらせますが、株式の準共有の状態は続きます。権利を行使する者の指定は持分の価格の過半数で決まりますので、持分の少ない相続人は、株主総会で自らの意見を反映させることが難しい状態が続きます。共有の解消には、改めて共有物の分割の手続が必要となり、紛争は先送りになるにとどまります。共有分割は、他の方法がいずれも採れない場合の最後の選択肢と考えていただくのが適切です。
相続人の立場ごとの進め方
株式の取得を望む相続人の場合
会社を継いでいる相続人が株式の全部の取得を望む場合、審判で代償分割を認めてもらうためには、代償金を支払う力を具体的に示す必要があります。金融機関の融資の見込み、会社による自己株式の取得の可否及び分配可能額、他の遺産による調整の案を、調停の段階から書面で示します。株式の評価についても、根拠を示さずに低い評価を主張すると、調停委員会の信頼を損ない、鑑定に進んで時間と費用を要することになります。
金銭による取得を望む相続人の場合
会社を継がない相続人が金銭による取り分を望む場合、まず株式の適正な評価を示すための資料を集めます。会社法第442条第3項による計算書類等の閲覧の請求、要件を満たす場合には会社法第433条第1項による会計帳簿の閲覧謄写の請求を検討します。これらの請求を株主として行うには、遺産分割の前であれば権利を行使する者の指定が問題となります。
次に、後継者の資力を把握します。代償金を支払う力が乏しいことが明らかな場合には、会社による自己株式の取得や、株式の一部を後継者が取得し残りを会社が取得する組合せ等、資金の作り方を提案することで、代償分割を実現しやすくします。非後継者の側から原資の作り方を示すことは、交渉で主導権を得るための有効な手段です。
いま確認していただきたいこと
- 被相続人が保有していた株式の数と、発行済株式の総数
- 定款に、株式の譲渡制限及び相続人等に対する売渡しの請求の定めがあるか
- 遺産分割の前に、誰が権利を行使する者として株主総会で議決権を行使しているか
- 直近3期分の計算書類等を入手できているか
- 株式を取得したい相続人に、代償金を支払う力があるか
- 株式以外の遺産(預貯金、不動産、会社への貸付金等)で調整できる範囲
- 遺産分割の調停を申し立てるか、既に申し立てられているか
よくあるご質問
法定相続分が2分の1なので、株式の半分は既に私のものではないのですか
遺産分割が終わるまで、株式は共同相続人の準共有に属します(民法第898条第1項)。法定相続分に応じて当然に株式が分かれるものではありません。遺産分割によって誰が何株を取得するかが定まり、その効力は相続開始の時にさかのぼります(民法第909条本文)。
兄が株式を全部取得すると言いますが、代償金は払えないと言っています
協議や調停でその案に同意する義務はありません。審判では、代償分割は特別の事情がある場合に限られ(家事事件手続法第195条)、実務上、取得する相続人の支払の資力が検討されます。資力がなければ、代償分割以外の方法が検討されることになります。
審判になると、株式を株数で分けられてしまうことはありますか
あります。現物分割は分割の方法の原則とされています。もっとも、非上場株式を株数で分けると会社の経営に支障が生じ得るため、その点は民法第906条の「権利の種類及び性質」として考慮されます。どの方法が選ばれるかは、事案ごとの事情によります。
代償金の額は、相続税の申告書の株価で決めるのですか
遺産分割における評価は、相続税の申告のための評価とは目的が異なり、実務上は分割の時点の時価を基準とします。相続税の申告書の評価額をそのまま用いる必要はありません。双方の主張の隔たりが大きい場合には、鑑定によることがあります。
代償金を分割払とすることはできますか
協議や調停で合意すれば可能です。その場合には、期限の利益の喪失の定め、担保の定め、株式の名義書換と支払の時期の対応関係を検討します。審判の場合も、事情によっては支払の方法が定められることがあります。
会社に株式を買い取ってもらい、その代金で分けることはできますか
会社と相続人全員が合意すれば可能です。会社法第162条により、相続人から相続により取得した株式を会社が取得する場合には、一定の条件の下で他の株主に売主に加わる機会を与える手続を要しません。ただし、取得の対価は分配可能額の範囲に限られ(会社法第461条第1項)、会社に買取りを強制する法律上の手段はありません。
遺産分割が終わる前でも、株主総会で議決権を行使できますか
権利を行使する者を1人定めて会社に通知すれば、その者が議決権を行使できます(会社法第106条本文)。指定は持分の価格の過半数で決することができると解されています(最高裁判所平成9年1月28日第三小法廷判決)。議決権の行使自体も、特段の事情のない限り、持分の価格の過半数で決せられます(最高裁判所平成27年2月19日第一小法廷判決)。
出典
- 民法(明治29年法律第89号)第252条、第898条第1項、第906条、第907条、第909条
- 家事事件手続法(平成23年法律第52号)第194条、第195条、第196条、第272条第4項、第284条第1項
- 会社法(平成17年法律第86号)第106条、第156条、第160条、第162条、第174条、第175条、第176条第1項、第309条第2項第3号、第433条第1項、第442条第3項、第461条第1項
- 租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第9条の7
- 最高裁判所平成9年1月28日第三小法廷判決(集民181号83頁)
- 最高裁判所平成27年2月19日第一小法廷判決(民集69巻1号25頁)
- e-Gov法令検索(デジタル庁) 法令の条文の確認に用いています。
- 裁判所ウェブサイト(裁判例検索) 裁判例の確認に用いています。
弁護士法人M&A総合法律事務所へのご相談
弁護士法人M&A総合法律事務所(代表弁護士 土屋勝裕)は、非上場株式の相続に注力し、株式の評価、権利を行使する者の指定、遺産分割の協議及び調停、代償金の原資の設計まで、相続人の側の代理人としてご相談をお受けしています。同一の案件について、会社の側と相続人の側の双方を代理することはありません。
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本記事は一般的な制度の説明であり、結論は事案ごとに異なります。同種の事案において同じ結果となることを保証するものではありません。個別の事情については、弁護士にご相談ください。
必ず解決できますから、一緒に頑張りましょう。
この記事の位置付け
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