遺産分割トラブルの総合案内
遺産分割トラブルの総合案内
遺産分割の協議が進まない場合や分割の内容に納得することができない場合について、当サイトが掲載する解説記事を、御相談の場面ごとにお探しいただけるように1つにまとめた案内です。
遺産分割トラブルの全体像
遺産分割は、相続人の全員が合意することによって遺産の帰属を確定する手続です。相続人が1人でも反対しますと協議は成立せず、法定相続分に相当する権利があるというだけでは、具体的な財産を取得することができません。この全員一致という要件があるために、遺産の一部を管理している相続人や、被相続人と同居していた相続人が、資料の開示や協議の進行を事実上支配してしまう事態が生じます。他の相続人は、遺産の全容が分からないまま判断を求められ、不公平な内容の分割案に押し切られることがあります。
争点となる事項は、大きく分けて、相続人の範囲、遺産の範囲、遺産の評価額、特別受益及び寄与分の5つです。このうち評価額の問題は、不動産と非上場株式が遺産に含まれる場合に特に深刻となります。とりわけ非上場株式については、相続税の申告で用いる相続税評価額をそのまま遺産分割の基準としてしまいますと、会社の経営権を取得する後継者が著しく有利となり、他の相続人の取得額が不当に低く抑えられる結果を招きます。相続税評価額と遺産分割において用いるべき価格とは、目的も算定の方法も異なります。
さらに、遺産分割には、相続税の申告期限である10か月、相続の放棄の熟慮期間である3か月、相続登記の申請期限である3年といった各期限が関係します。未分割のまま申告期限が到来しますと、配偶者の税額の軽減や小規模宅地等の特例といった有利な制度を直ちに適用することができません。本頁では、遺産分割を巡って生じるトラブルについて、当サイトが掲載する解説記事を場面ごとに整理しています。
よくあるご相談
- 他の相続人が遺産の資料を開示せず、遺産の全容が分からないまま協議を求められています
- 長男が自分の取り分だけを多く主張し、公平な遺産分割に応じません
- 遺産分割協議の内容に納得することができないまま、署名及び押印を求められています
- 非上場株式について相続税評価額を基準とすると主張され、取り分が著しく少なくなります
- 疎遠な相続人や所在の分からない相続人がいて、協議を始めることができません
- 生前に多額の贈与を受けた相続人がいるのに、特別受益として考慮されません
- 被相続人の介護を長年にわたって行ってきましたが、寄与分を認めてもらえません
- 遺産分割がまとまらないまま相続税の申告期限が近づいています
遺産分割の手続の流れと基本的な考え方
- ▶ 遺産相続の手続を期限別に整理した進行表と必要書類の一覧相続の開始から各種の申告及び登記までの手続を期限ごとに整理した進行表と、それぞれの場面で必要となる書類を解説いたします。
- ▶ 遺産相続とは?手続きの流れから注意点まで分かりやすく解説します!遺産相続の基本的な仕組み、手続の流れ及び各段階で注意すべき事項を、初めて相続に直面された方に向けて解説いたします。
- ▶ 遺産相続の分配方法|財産の分配割合、順位を解説法定相続分の考え方、相続人の順位及び具体的な分配の割合について、事例を交えて解説いたします。
- ▶ なぜ相続は揉めるのか?揉める原因・パターン、揉めないために知っておきたい知識と解決策を紹介します相続が紛争に発展する原因と典型的な対立の類型を整理し、紛争を避けるために知っておくべき知識と解決策を解説いたします。
- ▶ 相続トラブル(争続)に巻き込まれたら!相続人の間の紛争に巻き込まれた場合に、初期の段階で行うべき対応と採り得る手続の選択肢を解説いたします。
遺産分割協議と調停及び審判の手続
- ▶ 遺産分割協議遺産分割協議の意義、成立のために必要となる要件及び協議を進める際の基本的な留意点を解説いたします。
- ▶ 遺産分割協議書遺産分割協議書の意義と記載すべき事項、作成の手順及び後日の紛争を防ぐための工夫を解説いたします。
- ▶ 用語集・留意点:遺産分割協議書の書き方の留意点遺産分割協議書を作成する際に見落とされやすい記載事項と、記載の不備が後日に招く不利益を解説いたします。
- ▶ 用語集・留意点:遺産分割調停協議が調わない場合に申し立てる遺産分割調停について、申立ての方法、進行の実際及び審判へ移行する場合を解説いたします。
- ▶ 遺産分割協議の内容に納得できない!遺産分割協議の内容に納得することができない場合に、署名を留保する判断の基準と採り得る手続を解説いたします。
- ▶ 代表相続人が遺産を分配しない時の対処法とは?預貯金が振り込まれないトラブルを避けるためのポイントを解説遺産を管理する代表の相続人が分配に応じない場合について、預貯金の払戻しを含む具体的な対処の方法を解説いたします。
遺産の分け方と分割の方法
特別受益と寄与分
- ▶ 特別受益特別受益の意義、持戻しの対象となる贈与の範囲及び持戻しの免除の意思表示について解説いたします。
- ▶ 相続における特別受益のメリット・デメリット!特別受益を主張する場合の利点と負担を整理し、主張が認められるための立証の方法を解説いたします。
- ▶ 争いが生じやすい?相続時の特別受益とその持ち戻しについて解説特別受益と持戻しを巡って争いが生じやすい理由と、具体的な計算の方法について解説いたします。
- ▶ 寄与分寄与分の意義、認められるための要件及び算定の基礎となる考え方について解説いたします。
- ▶ 相続における寄与分のメリット・デメリット!寄与分を主張する場合の利点と負担を整理し、実務上認められやすい類型を解説いたします。
- ▶ 相続における寄与分の決め方・計算方法について解説寄与分の具体的な決め方と計算の方法について、療養看護型及び家業従事型といった類型ごとに解説いたします。
相続人の確定と疎遠な相続人・所在の分からない相続人
- ▶ 法定相続人とは?相続の順位と範囲、相続人だと思っていても該当しないケースをわかりやすく解説 法定相続人の範囲と順位を整理し、相続人であると思われていた方が該当しない場合を解説いたします。
- ▶ 遺産分割を円滑に進める相続人調査の重要性遺産分割を円滑に進めるための相続人調査の意義と、戸籍を用いた調査の具体的な手順を解説いたします。
- ▶ 疎遠な相続人及び所在の分からない相続人がいる場合の遺産分割の進め方疎遠な相続人及び所在の分からない相続人がいる場合について、不在者財産管理人の選任を含む進め方を解説いたします。
- ▶ 遺産分割を疎遠な相続人や面識のない相続人とうまく進める方法を解説面識のない相続人と遺産分割を進める場合の連絡の方法と、協議を成立させるための工夫を解説いたします。
- ▶ 兄弟での遺産相続はできる?相続のパターンやトラブルの対処法について解説兄弟姉妹が相続人となる場合の相続分、生じやすいトラブルの類型及びその対処法を解説いたします。
- ▶ 用語集:相続(遺産分割)と認知症(成年後見)相続人の中に判断能力が低下した方がいる場合の、成年後見の制度を用いた遺産分割の進め方を解説いたします。
非上場株式が遺産に含まれる場合の遺産分割
- ▶ 非上場株式の遺産分割は相続税評価額を基準に分割しては絶対にいけません!!非上場株式を相続税評価額を基準として遺産分割してはならない理由を、具体的な数値の例を用いて解説いたします。
- ▶ 遺産分割における非上場株式の評価額の決め方遺産分割における非上場株式の評価額について、算定の方法、基準となる時点及び資料の集め方を解説いたします。
- ▶ 相続税評価額で分割され取り分が減ってしまった場合の主張の組み立て相続税評価額を基準として分割され取り分が減ってしまった場合に、主張をどのように組み立てるかを解説いたします。
- ▶ 「株価はゼロ円だ」と言われ価値の高い株式を承継されてしまった場合株価はゼロ円であると説明されて価値の高い株式を承継されてしまった場合の対応について解説いたします。
- ▶ 何年も前に株式を無償で得た後継者が遺産分割で何も渡さない場合長期間前に株式を無償で取得した後継者が遺産分割において何も渡さない場合の主張の方法を解説いたします。
- ▶ 会社を継がない非後継者が公平な遺産分割を受けるための考え方会社を承継しない相続人が公平な遺産分割を受けるための考え方と、交渉における着眼点を解説いたします。
- ▶ 同族会社の遺産分割を弁護士に依頼するとき 後継者と非後継者の公平をどう確保するか同族会社の遺産分割について弁護士に依頼する場合に、後継者と非後継者の公平をどのように確保するかを解説いたします。
協議の効力を争う場合と未分割のまま期限が到来する場合
- ▶ 遺産分割の際に騙された!隠し財産が見つかった!遺産分割の詐欺取消や錯誤無効!遺産の内容について誤った説明を受けて遺産分割協議に応じた場合の、詐欺による取消し及び錯誤による無効の主張を解説いたします。
- ▶ 長男が平等に遺産を分割してくれない!公平な遺産分割に応じない相続人がいる場合に採り得る手続と、交渉を進める順序を解説いたします。
- ▶ 用語集・留意点:遺産相続未分割のままの相続税の申告遺産が未分割のまま相続税の申告期限が到来する場合の申告の方法と、後日の更正の請求について解説いたします。
- ▶ 用語集・留意点:遺産分割と現在居住住居被相続人と同居していた相続人の居住が続いている場合の遺産分割上の取扱いについて解説いたします。
当事務所の対応
当事務所は、遺産分割トラブルについて、まず相続人の範囲と遺産の範囲を確定する作業から着手いたします。戸籍を遡って相続人を確定し、預貯金の取引履歴、不動産の登記事項証明書、証券会社の残高証明書並びに会社の決算書類及び株主名簿を収集して、遺産の全体像を明らかにします。他の相続人が資料の開示に応じない場合には、金融機関への照会、会計帳簿の閲覧謄写の請求といった手段を用いて、必要な情報を確保します。
次に、確定した遺産について評価額を整理します。不動産については複数の価格の差異を踏まえて基準を定め、非上場株式については相続税評価額とは別に、遺産分割において用いるべき価格を検討します。そのうえで、特別受益及び寄与分の主張を整理し、各相続人の具体的相続分を算定して、複数の分割案を比較する形で協議に臨みます。
協議が調わない場合には、遺産分割調停を申し立て、必要に応じて不動産鑑定又は株式価値の評価を実施します。相続税の申告期限、相続の放棄の熟慮期間及び相続登記の申請期限といった各期限を管理しながら、税理士とも連携して手続を進めます。

