オーナー社長の死亡後に経営陣が株式の集約を仕掛けてきた場合の防御

父が創業した会社を継ぐ予定でございましたが、父が急逝いたしました。四十九日も終わらないうちに、番頭格の専務から「会社のことは我々に任せてほしい。株式は会社が買い取る」と告げられました。応じなければ、株主総会で解任するとも言われております。このようなご相談を、当事務所はしばしばお受けしております。

先に結論を申し上げます。オーナー社長の死亡の直後は、後継者にとって最も脆弱な時期でございます。株主名簿の名義はなお被相続人のままであり、遺産分割も終わっておらず、会社の内部の資料も経営陣が握っております。他方、経営陣の側は、相続人等に対する売渡しの請求、役員の解任、新株の発行といった手段を、会社の機関を用いて速やかに実行することができます。防御の要は、第1に株主としての地位を早期に確保すること、第2に会社の側の手続の適法性を検証すること、第3に必要に応じて保全の手段を用いることでございます。本記事では、経営陣が用いる手段ごとに、後継者の側の対応を整理いたします。

目次

第1節 なぜ死亡の直後が危ういのか

1 株主としての地位が未確定でございます

株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、会社に対抗することができないものとされております(会社法第130条第1項)。相続の場合も、株主名簿の記載が実務上の出発点となります。名義が被相続人のままである間、会社は「株主として扱えない」と述べることがございます。

2 遺産分割が未了でございます

遺産分割が終わるまでの間、株式は相続人の準共有に属します。共有者は、当該株式についての権利を行使する者1人を定め、会社に対しその者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができません(会社法第106条本文)。ただし、会社が当該権利の行使に同意した場合は、この限りでないものとされております(同条ただし書)。相続人の間で意見が分かれておりますと、議決権を行使することができません。

3 情報が経営陣に偏在しております

定款、株主名簿、議事録、計算書類等は、いずれも会社が保管しております。後継者は、これらを持たないまま判断を迫られます。

第2節 経営陣が用いる手段と防御

経営陣の手段 根拠条文 後継者の側の主な対応
相続人等に対する売渡しの請求 会社法第174条から第177条まで 定款の確認、1年の期間、決議の瑕疵、20日以内の価格の決定の申立て
役員の解任 会社法第339条第1項 決議の瑕疵の主張、正当な理由の有無、損害賠償の請求
新株の発行による持株割合の低下 会社法第199条 差止めの請求、無効の訴え、不存在の確認の訴え
株式の併合による端数の処理 会社法第180条 決議の瑕疵の主張、買取りの請求
名義書換の拒絶 名義書換の請求、株主であることの確認の訴え
権利行使者の指定の妨害 会社法第106条 相続人間の協議、遺産分割の手続

1 相続人等に対する売渡しの請求

会社は、定款にその定めがある場合に限り、相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を会社に売り渡すことを請求することができます(会社法第174条)。請求をするには、その都度、株主総会の決議によって、株式の数及び当該株式を有する者の氏名を定めなければなりません(会社法第175条第1項)。そして、請求の相手方となる株主は、当該株主総会において議決権を行使することができません(同条第2項)。

したがって、後継者が発行済株式の大部分を相続していても、この決議を止めることができません。防御は、定款の定めの有無、会社が相続を知った日から1年の経過(会社法第176条第1項ただし書)、株主総会の決議の瑕疵、分配可能額による制限(会社法第461条第1項)を検証することと、請求があった日から20日以内に売買価格の決定の申立てを行うか否かを判断すること(会社法第177条第2項)に集約されます。

2 役員の解任

役員は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができるものとされております(会社法第339条第1項)。後継者が既に取締役に就任している場合には、解任の決議により地位を失うおそれがございます。

解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができるものとされております(会社法第339条第2項)。もっとも、これは金銭による解決でございまして、地位の回復をもたらすものではございません。地位を争う場合には、決議の取消しの訴え(会社法第831条第1項)等を検討することになります。

3 新株の発行による持株割合の低下

会社が新たに株式を発行いたしますと、後継者の持株の割合は低下いたします。公開会社でない会社においては、募集事項の決定は株主総会の特別決議によらなければならないものとされております(会社法第199条第2項、第309条第2項)。

株式の発行が法令若しくは定款に違反する場合又は著しく不公正な方法により行われる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、会社に対し、当該株式の発行をやめることを請求することができます(会社法第210条)。実務においては、発行の効力が生じる前に、差止めの仮処分を申し立てることになります。

既に発行がされてしまった場合には、新株発行の無効の訴え(会社法第828条第1項第2号)を検討いたします。この訴えは、株式の発行の効力が生じた日から6か月以内(公開会社でない会社にあっては1年以内)に提起しなければならないものとされております。払込みの実体すらない場合には、新株発行の不存在の確認の訴え(会社法第829条)を検討する余地がございます。

4 株式の併合による端数の処理

会社は、株主総会の特別決議により、株式の併合をすることができます(会社法第180条、第309条第2項)。併合の割合によっては、少数の株式を保有する株主の株式が1株に満たない端数となり、金銭による処理を受けることになります。この手続に対しては、決議の瑕疵の主張のほか、反対する株主が株式の買取りを請求することができる場合がございます。

5 特別支配株主による株式等売渡請求

会社の総株主の議決権の10分の9以上を有する特別支配株主は、他の株主の全員に対し、その有する株式の全部を売り渡すことを請求することができるものとされております(会社法第179条)。もっとも、オーナー社長の死亡の直後においては、経営陣がこの要件を満たしていることは通常ございません。

第3節 後継者の側が最初に行うこと

1 名義書換の請求

相続その他の一般承継により株式を取得した者は、単独で株主名簿記載事項の記載又は記録を請求することができるものとされております。相続を証する書面を添えて、書面により請求いたします。これがすべての出発点でございます。

2 権利行使者の指定

遺産分割が未了の場合には、相続人の間で権利行使者を定め、会社に通知いたします(会社法第106条本文)。権利行使者の指定は、判例上、共有持分の価格に従い、その過半数をもって決するものと解されております。

3 資料の請求

定款の閲覧又は謄本の交付(会社法第31条第2項)、株主名簿の閲覧又は謄写(会社法第125条第2項)、株主総会の議事録の閲覧又は謄写(会社法第318条第4項)、計算書類等の閲覧又は謄本の交付(会社法第442条第3項)を請求いたします。持株の割合が要件を満たす場合には、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写を請求いたします(会社法第433条第1項)。

4 株主総会の招集の請求

総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができます(会社法第297条第1項)。公開会社でない会社においては、6か月前から引き続き有することを要しないものとされております(同条第2項)。請求の後、遅滞なく招集の手続が行われない場合等には、裁判所の許可を得て、株主自らが招集することができます(同条第4項)。

後継者が議決権の過半数を確保できる見込みがある場合には、自ら株主総会を招集し、役員の構成を改めること及び定款から相続人等に対する売渡しの請求の定めを除くことを検討いたします。ただし、会社の側が先に売渡しの請求の決議をしてしまえば、後継者は当該決議において議決権を行使することができません。速さが結論を分けます。

第4節 保全の手段

訴訟には期間を要します。その間に会社の財産が処分され、又は新たな決議が重ねられることを防ぐため、次のような保全の手段を検討いたします。

  • 取締役の職務の執行を停止し、職務代行者を選任する仮処分(民事保全法第23条第2項)。この仮処分がされたときは、その旨の登記がされます(会社法第917条)
  • 募集株式の発行の差止めの仮処分(会社法第210条)
  • 会社の重要な財産の処分を禁止する仮処分
  • 議決権の行使を禁止する仮処分

いかなる保全の手段が適切かは、事案により異なります。保全の申立てには、担保の提供を求められることがございます。

第5節 時間の管理

事項 期限 根拠条文
会社による売渡しの請求 相続その他の一般承継があったことを知った日から1年 会社法第176条第1項ただし書
売買価格の決定の申立て 請求があった日から20日 会社法第177条第2項
株主総会の決議の取消しの訴え 決議の日から3か月 会社法第831条第1項
新株発行の無効の訴え 効力が生じた日から6か月(公開会社でない会社は1年) 会社法第828条第1項第2号
相続税の申告 相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月 相続税法第27条第1項
遺留分侵害額の請求 相続の開始及び侵害の事実を知った時から1年 民法第1048条

第6節 相続人の間の関係の整理

後継者にとっての困難は、会社との対立のみではございません。他の相続人との間で遺産分割の協議が続いている場合、権利行使者の指定が進まず、会社に対する対応が遅れることがございます。

また、後継者が株式を集中して承継すれば、他の相続人の遺留分が問題となり得ます。遺留分侵害額の請求は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅するものとされております(民法第1048条)。会社との争いと、相続人の間の争いとを、並行して整理する必要がございます。

なお、株式の評価及び相続税の取扱いにつきましては、税理士にご確認ください。当事務所は税務の申告を行っておりません。

第7節 弁護士にご相談いただく意味

この局面において結論を左右するのは、速さでございます。経営陣の側は、被相続人の生前から準備を進めていることがございます。他方、後継者の側は、葬儀と相続の手続に追われる中で、突然に対応を迫られます。名義書換、権利行使者の指定、資料の請求、株主総会の招集の請求を同時に進めなければ、間に合いません。

また、会社の側の手続には、瑕疵が含まれていることが少なくございません。株主総会が現実に開催されていない、招集の通知が発せられていない、定款に定めがない、分配可能額が不足しているといった事情でございます。これらは、資料を得て初めて検証することができます。したがって、資料の請求を最優先で行う必要がございます。

具体的な進め方は、定款の内容、株主構成、遺産分割の状況、会社の財務の状態、経営陣の動きの段階等により異なり、当事務所が個別案件を通じて蓄積してまいりました実務上のノウハウにも属するため、本記事では詳細を開示しておりません。

第8節 経営陣の側から想定される主張と、反論の枠組み

この局面において、経営陣の側は、法的な根拠と、心理的な圧力とを織り交ぜて働きかけてまいります。両者を切り分けて受け止めることが肝要でございます。

経営陣の側の主張 反論の枠組み
会社のことは我々に任せてほしい。素人が口を出すと会社が傾く 経営を誰が担うかという問題と、株式を誰が保有するかという問題とは別でございます。当面の経営を委ねることと、株主としての地位を手放すこととを混同いたしません
取引先も金融機関も動揺している。早く決めなければ会社が持たない 急がせること自体が交渉の手法でございます。法定の期間と、相手方が設定した期限とを区別いたします。真に急を要するのであれば、その裏付けとなる資料の提示を求めます
先代とは、いずれ株式は会社が引き取るという話になっていた 口頭の言明は、それ自体としては効力を有しません。合意があったとおっしゃるのであれば、その時期、内容及びこれを示す書面の提示を求めます
株主名簿の名義が先代のままであるから、株主として扱えない 相続その他の一般承継により株式を取得した者は、単独で株主名簿記載事項の記載又は記録を請求することができるものとされております。まず名義の書換えを請求いたします(第3節をご覧ください)
遺産分割が終わっていないのだから、議決権は行使できない 遺産分割が未了の場合、株式は相続人の準共有に属します。権利を行使する者を定めて会社に通知すれば、権利を行使することができます(会社法第106条本文)。会社が同意した場合の例外も定められております(同条ただし書)
定款に定めがあるのだから、売渡しの請求に応じるほかない 定めがあることと、手続が適法に履践されたこととは別でございます。株主総会の決議の要件、議決権を行使することができない株主の範囲、1年の期間の遵守を検証いたします(第2節をご覧ください)
この金額が精一杯である。これ以上は出せない 金額の当否は、算定の前提となる資料がなければ検討できません。計算書類等の開示を求めます。売買価格について協議が調わない場合には、裁判所に対する売買価格の決定の申立ての制度が設けられております
応じなければ取締役を解任する 役員としての地位と、株主としての地位とは別でございます。解任の可否は議決権の数により定まりますので、まず持株の状況を確定させます。正当な理由がない解任については、損害の賠償を請求し得る場合がございます
他の相続人は既に納得している 他の相続人に示された条件を確認いたします。条件に差が設けられていることもございます。相続人の間で情報を共有し、個別に交渉されることを避けます

第9節 提示され得る条件と、その検討

交渉が進みますと、株式の買取りの金額のみならず、これに付随する条件が示されることがございます。一つひとつ、書面により確認いたします。

提示される条件 検討すべき点
株式の買取りの金額 算定の前提となった資料及び方法の開示を求めます。分割による支払が提案された場合には、支払期日、期限の利益の喪失及び担保を定めます
役員としての処遇の継続 任期、報酬の額、職務の内容を書面により定めます。任期の満了により当然に終了することに留意いたします
顧問の契約その他の継続的な関係 期間、報酬、解約の要件を定めます。短期間で解約され得る内容であれば、実質的な対価とはなり得ません
被相続人に係る退職慰労金 支給の根拠となる決議又は内規の有無を確認いたします。株式の対価と混同せず、別個の項目として整理いたします
被相続人の会社に対する貸付金の返済 貸付金は株式とは別個の相続財産でございます。残高、返済の時期及び方法を、株式の対価とは別に定めます
被相続人又は相続人がした保証の解除 金融機関の同意を要することが通常でございます。会社が「解除する」と述べるだけでは足りませんので、金融機関の対応を確認いたします
社宅、社用車その他の便宜の継続 会社の資産に関する事柄でございますので、いつでも撤回され得ることを前提に評価いたします
公表の内容及び時期 取引先及び従業員に対する説明の内容を確認いたします。事実と異なる説明がされないよう、書面により取り決めます
清算条項 合意により何が終了するのかを明確にいたします。貸付金、保証、未分割の財産が残る場合には、清算の対象から除外する旨を明記いたします

いずれの条件も、口頭の了解にとどめてはなりません。合意に至る場合には、条項の一つひとつを書面により確定させます。

第10節 事案の類型ごとの進め方

類型 重点
相続人が後継者お一人である場合 準共有の問題が生じませんので、名義の書換えを速やかに行い、株主としての地位を確定させることに注力いたします
相続人が複数で、意見が一致している場合 権利を行使する者を早期に定めて会社に通知いたします。相続人の間で窓口を一本化し、個別の接触に応じない旨を申し合わせます
相続人が複数で、意見が対立している場合 会社の側は対立を利用してまいります。まず相続人の間の調整に着手し、権利を行使する者を定める手続を優先いたします(第6節をご覧ください)
被相続人の持株が過半数に達していた場合 株主総会における議決権の数が有利でございますので、株主総会の招集の請求により局面を主導し得る余地がございます(第3節をご覧ください)
被相続人の持株が過半数に満たない場合 経営陣の側が決議を成立させ得ますので、手続の適法性の検証及び保全の手段の検討が中心となります(第2節、第4節をご覧ください)
定款に相続人等に対する売渡しの請求の定めがある場合 1年の期間及び株主総会の決議の要件を直ちに確認いたします。期間の起算点の把握が最優先でございます
後継者が現に取締役である場合 取締役としての地位により、取締役会の資料及び会社の内部の情報に接し得る立場がございます。解任に至る前に、必要な資料を確保いたします
金融機関の借入れについて被相続人が保証をしていた場合 保証に係る債務の承継の問題が生じます。主債務の残高及び履行の状況を確認の上、相続の放棄を含めて検討いたします。期間が短うございますので、直ちに着手いたします

第11節 初期の対応において避けるべきこと

  • その場で書面に署名すること。持ち帰り、内容を確認する旨を述べれば足ります。株式譲渡契約書、承諾書、同意書は、いずれも署名により効力を生じ得ます
  • 口頭で了解を与えること。「前向きに考える」という趣旨の発言が、後に合意があったと主張されることがございます
  • 相手方の設定した期限に合わせて判断すること。法定の期間との区別を欠いたまま急ぐことは、最も避けるべき対応でございます
  • 相続人が個別に交渉に応じること。条件に差が設けられ、相続人の間に対立が生ずる原因となります
  • 資料の請求を後回しにすること。時間の経過とともに、資料は失われ、又は差し替えられるおそれがございます
  • 感情的なやり取りを記録に残さないこと。やり取りの日時、出席者及び内容は、その都度、書面により記録いたします
  • 会社の資料を無断で持ち出すこと。正規の手続により請求することが、後の手続において資料の価値を保つ道でございます

よくあるご質問

質問1 まず何をすればよろしいですか。

名義書換の請求でございます。相続その他の一般承継により株式を取得した者は、単独で株主名簿記載事項の記載又は記録を請求することができるものとされております。これがすべての出発点でございます。あわせて、定款の閲覧又は謄本の交付を請求いたします(会社法第31条第2項)。

質問2 過半数を相続しているのに、なぜ売渡しの請求を止められないのですか。

請求の相手方となる株主は、当該株主総会において議決権を行使することができないものとされております(会社法第175条第2項)。ただし、当該株主以外の株主の全部が議決権を行使することができない場合は、この限りでないとされております(同項ただし書)。株主構成によって結論が異なります。

質問3 取締役を解任されそうです。防げますか。

役員は、いつでも株主総会の決議によって解任することができるものとされております(会社法第339条第1項)。決議の成立を防ぐには議決権が必要でございますので、名義書換及び権利行使者の指定を急ぐことになります。解任された場合には、正当な理由の有無に応じて損害の賠償を請求し得るほか(同条第2項)、決議に瑕疵があれば決議の取消しの訴えを検討いたします。

質問4 突然、新株が発行されると聞きました。

発行が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正な方法により行われる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、発行をやめることを請求することができます(会社法第210条)。効力が生じる前に差止めの仮処分を申し立てる必要がございますので、直ちにご相談ください。

質問5 他の相続人と意見が合わず、権利行使者を決められません。

権利行使者の指定は、共有持分の価格に従い、その過半数をもって決するものと解されております。合意ができない場合には、遺産分割の調停又は審判の申立てを検討いたしますが、期間を要します。当面の対応として、名義書換の請求及び資料の請求を先行させることが考えられます。

質問6 「株式は会社が引き取る」と先代が言っていたと言われました。

口頭の言明は、それ自体としては効力を有しません。合意があったとおっしゃるのであれば、その時期、内容及びこれを示す書面の提示を求めます。書面がない場合には、その旨を記録いたします。

質問7 役員としての処遇を続けるので、株式を譲ってほしいと言われました。

役員の任期は限られておりますので、任期の満了により当然に終了いたします。処遇の継続を対価の一部と評価するのであれば、期間、報酬の額及び職務の内容を書面により定める必要がございます。

質問8 相続人が複数おり、それぞれ別に会社から接触を受けております。

個別の接触は、条件に差を設けて相続人の間を分断する契機となり得ます。窓口を一本化し、会社に対しては書面により、以後の連絡を窓口に一本化する旨を通知することが考えられます。

本記事の根拠条文

会社法

  • 第31条第2項(定款の閲覧等)
  • 第106条(共有者による権利の行使)
  • 第125条第2項(株主名簿の閲覧等)
  • 第130条第1項(株式の譲渡の対抗要件)
  • 第174条から第177条まで(相続人等に対する売渡しの請求)
  • 第179条(特別支配株主の株式等売渡請求)
  • 第180条(株式の併合)
  • 第199条第2項(募集事項の決定)
  • 第210条(募集株式の発行等の差止請求)
  • 第297条第1項・第2項・第4項(株主による株主総会の招集の請求)
  • 第309条第2項(株主総会の特別決議)
  • 第318条第4項(株主総会の議事録の閲覧等)
  • 第339条第1項・第2項(役員の解任及び損害の賠償)
  • 第433条第1項(会計帳簿の閲覧等の請求)
  • 第442条第3項(計算書類等の閲覧等の請求)
  • 第461条第1項(分配可能額による制限)
  • 第828条第1項第2号(新株発行の無効の訴え)
  • 第829条(新株発行の不存在の確認の訴え)
  • 第831条第1項(決議の取消しの訴え)
  • 第917条(職務の執行の停止等の登記)

民事保全法 第23条第2項(仮の地位を定める仮処分命令)

民法 第1048条(遺留分侵害額の請求権の期間の制限)

相続税法 第27条第1項(相続税の申告書の提出期限)

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