改製原戸籍

改製原戸籍とは、戸籍法その他の関係法令の改正によって戸籍が新しい様式に作り替えられた場合に、その作り替えの元となった従前の戸籍をいいます。「かいせいげんこせき」と読みますが、現在の戸籍を意味する「現戸籍」と紛らわしいことから、実務上は「かいせいはらこせき」と読み分けることがございます。
第1節 戸籍の改製
戸籍は、これまでに複数回にわたって様式が改められてまいりました。家を単位とする編製から夫婦及びその氏を同じくする子を単位とする編製への変更、及びその後の電子計算機による事務の取扱いに伴う改製が、代表的なものでございます。
改製に際しましては、従前の戸籍に記載された事項のうち、既に効力を失っている事項は、新しい戸籍に移記されません。婚姻又は離婚によって従前の戸籍から除かれた者、既に死亡した者、養子縁組が解消された事実などは、新しい戸籍からは読み取ることができません。改製原戸籍は、こうした記載を保存するものとして意義を有しております。
第2節 相続の手続における必要性
相続人の範囲を確定するためには、被相続人の出生の時から死亡の時までの連続した戸籍が必要でございます。現在の戸籍のみを取得いたしましても、前婚における子、認知した子、既に死亡して代襲相続が生じている子などの存在が判明しない場合がございます。そのため、現在の戸籍から順次遡り、改製原戸籍及び除籍の謄本を含めて収集することになります。
これらを収集した結果、想定していなかった相続人の存在が判明することは、決して稀ではございません。遺産分割の協議は共同相続人の全員によらなければ効力を生じませんので、収集を怠りますと、成立したはずの協議が後日無効となる危険がございます。
第3節 実務上の留意点
戸籍法の改正により、本籍地以外の市区町村の窓口においても、戸籍謄本等の交付を請求することができる仕組みが設けられております。もっとも、請求することができる者の範囲及び対象となる戸籍には制限があり、電子計算機による処理がされていない一部の改製原戸籍等はこの仕組みの対象となりません。この場合には、従前どおり本籍地の市区町村に対して請求することになります。
古い改製原戸籍は、毛筆又は手書きの旧字体で記載されており、判読が容易でないことがございます。記載の意味を読み誤りますと相続人の範囲を誤りますので、判断に迷われる場合には専門家に御確認いただくのが安全でございます。
なお、改製原戸籍の謄本は、本籍地の市区町村において保存の期間が経過した場合には、交付を受けることができないことがございます。この場合には、取得することができなかった旨の証明を受け、他の資料と併せて相続人の範囲を疎明することになります。金融機関及び登記の手続におきましては、こうした取扱いの可否が窓口ごとに異なることがございますので、事前に確認しておくことが望ましいものでございます。
第4節 関連する用語
戸籍、戸籍謄本、戸籍抄本、除籍、戸籍の附票、相続関係説明図などの用語も併せて御参照ください。弁護士費用につきましては、弁護士費用一覧のページを御覧ください。
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