延納

延納とは、相続税を納期限までに一時に金銭で納付することが困難である場合に、担保を提供したうえで、年賦の方法によって分割して納付することを認める制度をいいます(相続税法第38条)。相続税は金銭による一時の納付を原則としておりますので、延納はその例外に当たるものでございます。

目次

第1節 制度の枠組み

延納の許可を受けるためには、納付すべき相続税額が一定の額を超えていること、金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ延納を求める額がその困難とする金額の範囲内であること、担保を提供すること、及び納期限までに延納申請書に担保提供関係書類を添えて提出することが必要とされております。担保の提供を要しない場合も定められております。

延納をすることができる期間及び延納の期間中に課される利子税の割合は、課税相続財産のうちに不動産等の占める割合に応じて区分されております。すなわち、財産の構成によって取扱いが異なる仕組みとなっております。

延納によっても金銭で納付することが困難な事由がある場合には、一定の要件のもとで、相続により取得した財産そのものをもって納付する物納の制度が設けられております(相続税法第41条)。また、いったん延納の許可を受けた後に延納の継続が困難となったときに、物納へ変更する道も用意されております。

第2節 実務上の留意点

延納の申請は、相続税の申告期限、すなわち相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月を経過する日までに行う必要がございます。この期限までに遺産分割が調っておりませんと、どの相続人がどの財産を取得するのかが定まらず、担保として提供すべき財産の選定にも支障を生じます。納税の場面から逆算いたしますと、遺産分割の協議は早期に着手すべきものでございます。

納税資金の不足は、遺産の大部分が不動産又は非上場株式であって換価が容易でない場合に生じやすいものでございます。このような事案におきましては、延納及び物納の可否と併せて、換価分割によって納税資金を確保する方法、代償分割による調整の方法などを、遺産分割の内容そのものと一体として検討する必要がございます。

延納の要件、期間、利子税の割合その他の具体的な取扱いは、税制の改正によって変動いたします。税務の取扱いにつきましては、税理士に御確認ください。当事務所は税務の申告の代理を行うものではなく、遺産分割及び相続人間の紛争の解決を担うものでございます。

なお、延納の許可を受けるためには担保の提供を要するのが原則でございますが、遺産分割が調っていない段階では、相続人が単独で相続財産を担保に供することができません。この点からも、納税の期限から逆算した日程の管理が重要となります。相続人の間に深刻な対立があり、期限までに協議の成立が見込めない事案におきましては、未分割のまま申告を行ったうえで、後日の分割によって修正するという選択を迫られる場合もございます。

第3節 関連する用語

物納、換価分割、代償分割、準確定申告、財産評価基本通達などの用語も併せて御参照ください。弁護士費用につきましては、弁護士費用一覧のページを御覧ください。

具体的な御相談をお考えの皆様へ

本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次の御案内のページに整理しています。あわせて御覧ください。

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