相続税還付

相続税還付とは、既に納付した相続税の額が本来納付すべき額を上回っていた場合に、その過大な部分の返還を受けることをいいます。国税通則法及び相続税法に定める更正の請求の手続によって行われます。

目次

第1節 制度の枠組み

相続税の申告は、相続人が自ら財産を評価して行うものでございます。したがいまして、評価の方法を誤り、又は適用し得る特例を看過したまま申告がされ、結果として過大な納付となっていることがございます。このような場合には、税務署長に対して更正の請求をし、正当な額を超えて納付した部分の還付を受けることができます。

更正の請求には期限が定められております。申告書の提出期限から一定の期間内に限られるのが原則でございますが、遺産分割が後に成立した場合、遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定した場合、認知の訴えの確定により相続人に異動が生じた場合など、後発的な事由があるときは、その事由が生じたことを知った日の翌日から一定の期間内に請求をすることができます。具体的な期間及び要件は法令の改正により変動いたしますので、税務の取扱いにつきましては税理士に御確認ください。

第2節 実務上の留意点

第一に、過大な納付が生ずる原因として多いのは土地の評価でございます。形状が不整形である、間口が狭い、傾斜がある、高圧線が上空を通過している、騒音がある、埋蔵文化財包蔵地に当たるといった事情は、評価額を減ずる要素となり得ます。もっとも、これらの判断は専門的なものでございまして、税理士及び不動産鑑定士の領域に属します。当事務所が財産の評価を行うものではございません。

第二に、当事務所の観点から重要でございますのは、遺産分割又は遺留分侵害額請求の結果として課税関係に変動が生ずる場面でございます。分割が未了のまま法定相続分により申告をしていたところ、後に分割が成立して取得した財産の額が変わったという場合には、更正の請求又は修正申告を要します。紛争の解決と税務の手続とは、時期を意識して連携させる必要がございます。

第三に、還付を受けられるのは、あくまで法令に照らして正当な額を超えて納付していた場合に限られます。還付の可否及び額は個別の事情によって異なりますので、結果を保証することはできません。

第四に、相続人が複数ある場合、更正の請求は各相続人がそれぞれ行うものでございます。一人の相続人の評価が是正されますと、他の相続人の納付すべき額にも影響が及ぶことがございますので、相続人の間で情報を共有しておくことが望まれます。

第五に、更正の請求が認められない場合でありましても、既に成立した遺産分割の内容を当然に見直すことができるわけではございません。遺産分割の協議は、原則として錯誤等の一般的な要件を満たさない限り、その効力を否定することができないものでございます。申告と分割とを性急に進めることは避けるべきでございます。

第六に、当事務所が取り扱いますのは、遺産の範囲及び分割の内容をめぐる民事上の紛争でございます。申告の内容そのものに疑義がある場合には、申告を担当された税理士又は他の税理士に検討を依頼していただくこととなります。

第3節 関連する用語

更正の請求、修正申告、路線価、遺留分侵害額請求が関連いたします。当事務所は税務申告及び税務代理を行うものではございませんので、還付の可否につきましては税理士に御確認ください。弁護士費用につきましては弁護士費用一覧のページを御覧ください。

具体的な御相談をお考えの皆様へ

本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次の御案内のページに整理しています。あわせて御覧ください。

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