相続の基礎知識

当ページは、相続に関する基礎的な事項を概観するためのものでございます。個々の用語の意味につきましては相続用語辞典のページに、各制度の詳細につきましては個別の解説の記事に、それぞれ譲ることといたします。
第1節 相続とは何か
相続とは、死亡した者の財産上の権利義務を、法律の定めるところにより一定の身分関係にある者が承継することをいいます。民法第882条は、相続は死亡によって開始する旨を定めております。死亡した者を被相続人と申し、その権利義務を承継する者を相続人と申します。
誰が相続人となるかは民法が定めております。配偶者は常に相続人となり、血族相続人につきましては、子、直系尊属、兄弟姉妹の順に順位が定められております。当事者の意思によってこの範囲を変更することはできません。
承継の対象は、一身に専属したものを除く一切の権利義務でございます。積極財産のみならず、借入金、保証債務、未払の租税公課といった消極財産も承継されるという点は、とりわけ重要でございます。
第2節 最初に確認すべき事項
相続の手続を進めるに当たりましては、次の事項を順に確認する必要がございます。第一に、誰が相続人であるか。第二に、遺言書が遺されているか。第三に、いかなる財産及び債務があるか。第四に、これらをどのように分けるか。第五に、相続税の申告を要するか、でございます。
相続人の範囲は、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を収集して確定いたします。相続人を一人でも欠いたまま成立した遺産分割の協議は無効でございまして、初めからやり直すこととなります。この点を軽視して手続を進めますと、多大な時間と費用を空費することになりかねません。
第3節 期限の管理
各手続には期限が定められております。相続の放棄及び限定承認は、自己のために相続の開始があったことを知った時から原則として3箇月以内でございます。相続税の申告及び納付は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10箇月以内でございます。相続の登記の申請は、所有権を取得したことを知った日から3年以内とされております。不動産登記法第76条の2でございまして、令和6年から義務化されたものでございます。
また、相続の開始の時から10年を経過した後にする遺産の分割につきましては、特別受益及び寄与分に関する規定が適用されません。民法第904条の3でございます。協議を長期にわたり放置いたしますと、主張し得たはずの事情を考慮してもらえなくなります。
第4節 専門家の関与
税務に関する事項につきましては税理士に、登記の申請の代理につきましては司法書士に、不動産の鑑定評価につきましては不動産鑑定士に、それぞれ御確認ください。いずれも当事務所が行うものではございません。
当事務所がお取り扱いいたしますのは、遺産の範囲をめぐる争い、遺産分割の協議、調停及び審判、遺留分侵害額請求、遺言の効力を争う訴訟、遺産の使い込みに関する請求など、相続をめぐる民事上の紛争でございます。争いとなることが見込まれる場合には、早い段階で御相談いただくことが望まれます。弁護士費用につきましては弁護士費用一覧のページを御覧ください。
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