未成年者控除

未成年者控除とは、相続又は遺贈により財産を取得した者が法定相続人であり、かつ相続の開始の時において未成年者である場合に、その者の相続税額から一定の額を控除する制度をいいます。相続税法に定めが置かれております。
第1節 制度の趣旨と枠組み
未成年者は、成年に達するまでの間、養育及び教育に要する費用を必要といたします。相続税の負担によってその原資が損なわれることのないよう、税額を軽減する趣旨で設けられた制度でございます。同様の趣旨に基づく制度として、障害者控除がございます。
控除される額は、成年に達するまでの年数を基礎として算出されます。したがいまして、年少であるほど控除される額は大きくなります。年数に1年未満の端数があるときは、これを1年として計算するものとされております。
控除を受けるべき者の相続税額から控除しきれない額があるときは、その者の扶養義務者の相続税額から控除することができるものとされております。
ここで留意を要しますのは、成年年齢の引下げでございます。平成30年の民法の改正により、令和4年4月1日から成年年齢は18歳とされました。民法第4条でございます。これに伴い、未成年者控除の基礎となる年齢も改められております。古い文献及び解説の中には、なお20歳を基準とする記述が残っていることがございますので、依拠されないよう御留意ください。具体的な算式及び金額は法令の改正により変動いたしますので、税務の取扱いにつきましては税理士に御確認ください。
第2節 実務上の留意点
第一に、未成年者が相続人である場合には、遺産分割の協議に親権者が法定代理人として加わることとなります。もっとも、その親権者自身も相続人であるときは利益が相反いたしますので、家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立てなければなりません。民法第826条に定めがございます。この手続を経ずに成立した協議は、無権代理として効力を生じないおそれがございます。
第二に、未成年者が複数ある場合には、それぞれについて特別代理人を選任する必要がございます。同一の者を複数の未成年者の特別代理人とすることは、その未成年者相互の間で利益が相反いたしますので、認められません。
第三に、成年年齢が18歳に引き下げられましたことにより、18歳に達した子は自ら遺産分割の協議に加わることとなります。従前であれば親権者が代理していた場面で、本人の意思を確認しなければならないこととなりますので、手続の進め方に注意を要します。
第四に、未成年者が取得する財産の管理をどのように行うかも問題となります。親権者が管理することが原則でございますが、被相続人が遺言によって管理者を指定しておくこともできます。
第五に、家庭裁判所は、特別代理人の選任に際し、協議の内容が未成年者の利益を害するものでないかを審査いたします。未成年者の取得分を法定相続分より著しく少なくする内容の協議案は、認められないことがございます。
第3節 関連する用語
障害者控除、特別代理人、法定相続分、遺産分割協議が関連いたします。税務の取扱いにつきましては税理士に御確認ください。弁護士費用につきましては弁護士費用一覧のページを御覧ください。
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