公証人

公証人とは、当事者その他の関係人の嘱託により、公正証書の作成、私署証書の認証、確定日付の付与等の事務を行う者をいいます。法務大臣が任命し、公証役場において職務を行います。

目次

第1節 地位と職務

公証人は、公証人法に基づき、裁判官、検察官、弁護士その他の法律の実務に携わってきた者のうちから任命されるのが通例でございます。国から給与の支給を受けるものではございませんが、公務に従事する者として取り扱われております。

その職務は、法律行為その他私権に関する事実についての公正証書の作成、私署証書の認証、会社その他の法人の定款の認証、確定日付の付与などでございます。公証人が作成した公正証書は、公文書として高い証明力を有し、また、金銭の支払を目的とする一定の内容のものにつきましては、執行認諾の文言を付すことによって、裁判の手続を経ずに強制執行の手続をとることができる効力を備えます。

第2節 相続の場面における役割

相続に関しまして公証人が関与する最も代表的な場面は、公正証書遺言の作成でございます。公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して遺言者及び証人に読み聞かせ又は閲覧させ、各自が署名し押印したうえ、公証人が方式に従って作成した旨を付記して署名し押印することによって作成されます(民法第969条)。

口がきけない者又は耳が聞こえない者につきましても、通訳人の通訳による申述又は自書によって口授に代えるなど、別の方式が定められております(民法第969条の2)。身体の状態により公証役場に赴くことが困難な場合には、公証人が病院又は自宅に出張して作成することも可能でございます。

このほか、秘密証書遺言の作成に際しても公証人が関与いたします(民法第970条)。また、任意後見契約は、法律により公正証書によってしなければならないものとされております。死因贈与契約を公正証書によって締結する例もございます。

第3節 実務上の留意点

公証人は、遺言者の意思を確認し、方式の適合を確保する役割を担っておりますが、遺言者の判断能力を医学的に診断する立場にはございません。公正証書によって作成された遺言でありましても、作成の当時に遺言能力を欠いていたとして、その効力が争われる例がございます。作成に際して医師の診断書を取得しておく、作成に至る経緯を記録しておくといった備えが、後日の紛争の予防に資する場合がございます。

公証人の手数料は、法令の定めるところにより、目的の価額等に応じて算定されます。当事務所の弁護士費用につきましては、弁護士費用一覧のページを御覧ください。

また、公証人は嘱託を受けて証書を作成する立場にございまして、いずれの当事者の利益を図る立場にもございません。相続人の間に利害の対立が見込まれる事案におきまして、遺言の内容をどのように定めるべきかという相談に応ずるものではございませんので、内容の検討そのものは、別途に弁護士に御相談いただく必要がございます。

第4節 関連する用語

公正証書遺言、秘密証書遺言、自筆証書遺言、検認、遺言執行者などの用語も併せて御参照ください。

具体的な御相談をお考えの皆様へ

本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次の御案内のページに整理しています。あわせて御覧ください。

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