卑属

卑属とは、自己より後の世代に属する血族をいいます。子、孫、曾孫のような直系の関係にある者を直系卑属と申し、甥、姪のような傍系の関係にある者を傍系卑属と申します。両者を併せた総称が卑属でございます。

目次

第1節 親族法上の位置付け

民法は、6親等内の血族、配偶者、及び3親等内の姻族を親族と定めております。民法第725条でございます。血族のうち、自己より前の世代に属する者を尊属、後の世代に属する者を卑属と呼び、さらに世代の系列が直上直下の関係にあるものを直系、共同の始祖を介して分岐した関係にあるものを傍系と呼びます。これらを組み合わせて、直系尊属、直系卑属、傍系尊属、傍系卑属という区分が用いられます。

兄弟姉妹は、自己と同じ世代に属しますので、尊属でも卑属でもございません。傍系の血族ではございますが、世代を異にしないためでございます。この点は混同されやすうございますので、注意を要します。

第2節 相続における意義

被相続人の直系卑属である子は、血族相続人の第1順位でございます。民法第887条第1項に定めがございます。子が相続の開始以前に死亡し、又は相続欠格若しくは廃除によって相続権を失ったときは、その者の子が代襲して相続人となり、直系卑属である限り再代襲が続いてまいります。

これに対し、傍系卑属である甥又は姪は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となるべき場合において、その兄弟姉妹が既に死亡しているときに代襲して相続人となるにとどまります。この代襲は一代に限られており、甥又は姪の子が相続人となることはございません。民法第889条第2項でございます。

遺留分につきましても取扱いが異なります。直系卑属には遺留分がございますが、兄弟姉妹及びその代襲者である甥又は姪には遺留分がございません。民法第1042条は、遺留分を有する者を兄弟姉妹以外の相続人と定めております。

第3節 実務上の留意点

第一に、被相続人に子がなく、兄弟姉妹又はその代襲者が相続人となる事案では、当事者が多数に上り、互いに面識がないことが通例でございます。所在の調査から着手しなければならず、協議に要する期間も長くなる傾向がございます。

第二に、この類型におきましては、遺言の作成が極めて有効な対策となります。兄弟姉妹及びその代襲者には遺留分がございませんので、遺言によって配偶者その他の者に全ての財産を承継させることが可能でございます。子のない方につきましては、遺言の作成を検討されることが望まれます。

第三に、普通養子縁組による養子は養親の直系卑属となりますが、縁組の前に生まれていた養子の子は養親の直系卑属ではございませんので、代襲相続をいたしません。戸籍によって出生の日と縁組の日とを確認する必要がございます。

第4節 関連する用語

直系卑属、直系尊属、傍系、代襲相続、遺留分侵害額請求が関連いたします。弁護士費用につきましては弁護士費用一覧のページを御覧ください。

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