非嫡出子

非嫡出子とは、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子をいいます。法令上は嫡出でない子と表記されます。これに対し、婚姻関係にある男女の間に生まれた子を嫡出子と申します。婚姻関係の有無によって区別されるものでございまして、法律上の親子関係が存在しないという意味ではございません。

目次

第1節 親子関係の成立

母と子との間の親子関係は、原則として分娩の事実によって当然に生ずるものと解されております。したがいまして、嫡出でない子でありましても、母の相続については当然に相続人となります。

これに対し、父との間の法律上の親子関係は、認知によって生じます。民法第779条は、嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる旨を定めております。認知がされていない場合には、父の相続について相続人となることができません。

認知の方法には、戸籍法の定めるところによる届出のほか、遺言による方法がございます。父が任意に認知をしない場合には、子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人が、認知の訴えを提起することができます。民法第787条でございまして、父の死亡の日から3年を経過したときは提起することができません。

第2節 相続分に関する法改正

相続分につきましては、嫡出子と嫡出でない子との間に差はございません。かつて民法第900条第4号ただし書は、嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1と定めておりました。しかし最高裁判所は平成25年、この規定を法の下の平等を定める憲法第14条第1項に違反するものと判断いたしました。これを受けて同年に民法が改正され、当該規定は削除されております。

古い文献、書式集及び解説の中には、なお嫡出でない子の相続分を2分の1とする記述が残っていることがございます。現行法に適合いたしませんので、依拠されないよう御留意ください。

第3節 実務上の留意点

第一に、被相続人の戸籍を出生まで遡って収集した結果、認知された子の存在が判明することがございます。他の相続人がその存在を知らなかったという事案は珍しくございません。この者を除外して成立した遺産分割の協議は無効でございます。

第二に、認知された子と他の相続人とは、面識がなく、感情的な対立を伴うことが多うございます。協議による解決が困難な場合には、家庭裁判所の調停及び審判の手続によることとなります。

第三に、相続の開始の後に認知の訴えが確定して相続人となった者は、既に他の共同相続人によって分割その他の処分がされていたときは、価額のみによる支払を請求することができるにとどまります。民法第910条に定めがございます。

第四に、被相続人が生前に認知をしていない子に財産を承継させることを望まれる場合には、遺言による認知、又は遺贈の方法を検討することとなります。いずれについても、他の相続人の遺留分に配慮する必要がございます。

第4節 関連する用語

嫡出子、認知、法定相続分、遺留分侵害額請求が関連いたします。弁護士費用につきましては弁護士費用一覧のページを御覧ください。

具体的な御相談をお考えの皆様へ

本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次の御案内のページに整理しています。あわせて御覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次