非課税財産

非課税財産とは、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その性質、公益性その他の政策上の理由により、相続税の課税価格に算入しないものとされている財産をいいます。相続税法に定めが置かれております。
第1節 主な非課税財産
第一に、墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるものでございます。祖先の祭祀に係る財産に課税をすることは国民の感情に沿わないという趣旨に基づきます。民法第897条は、系譜、祭具及び墳墓の所有権は祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する旨を定めており、これらは遺産分割の対象ともなりません。
第二に、宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者が取得した財産で、その公益を目的とする事業の用に供することが確実なものでございます。
第三に、相続人が取得した生命保険金及び退職手当金等のうち、法定相続人の数を基礎として算出される一定の額に相当する部分でございます。これらは本来の相続財産ではございませんが、相続税法上はみなし相続財産として課税の対象とされたうえで、一定の額までが非課税とされております。
第四に、相続税の申告期限までに国、地方公共団体又は特定の公益法人等に贈与した財産につきましても、一定の要件の下で課税価格に算入しないものとされております。
これらの範囲、要件及び金額は法令の改正により変動いたしますので、税務の取扱いにつきましては税理士に御確認ください。当事務所は税務申告及び税務代理を行うものではございません。
第2節 実務上の留意点
第一に、非課税とされることと、遺産分割の対象となるかどうかとは、別の問題でございます。祭祀に関する財産は、祭祀を主宰すべき者が承継するものでございまして、遺産分割の対象とはなりません。誰が祭祀を主宰すべき者となるかは、被相続人の指定、慣習、又は家庭裁判所の審判によって定まります。
第二に、祭祀の承継をめぐる争いは、経済的な価値の大小にかかわらず、深刻な対立を生むことがございます。墓地の管理、法要の実施、遺骨の帰属といった事項が争点となります。遺言において祭祀を主宰すべき者を指定しておくことが、紛争の予防に資します。
第三に、生前に高額な墓地又は仏壇を購入する方法が、相続の対策として説明されることがございます。もっとも、購入の代金が未払のまま相続が開始した場合には、その債務を控除することができないものとされております。また、投資又は換価の目的で保有していると認められるものにつきましては、非課税の取扱いを受けられないことがございます。
第四に、生命保険金は受取人の固有の財産でございまして、原則として遺産分割の対象とはなりません。もっとも、その額が遺産の総額に比して著しく高額であり、相続人の間の不公平が著しいと評価すべき特段の事情があるときは、特別受益に関する規定を類推適用すべきものとされた判例がございます。
第3節 関連する用語
みなし相続財産、生命保険の非課税、祭祀承継、特別受益が関連いたします。弁護士費用につきましては弁護士費用一覧のページを御覧ください。
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