配偶者控除

相続税における配偶者控除とは、被相続人の配偶者が相続又は遺贈により財産を取得した場合に、その相続税額を軽減する制度をいいます。法令上は配偶者に対する相続税額の軽減と称されており、相続税法に定めが置かれております。
第1節 制度の趣旨と枠組み
配偶者の財産は、夫婦が共同して形成したものという側面がございます。また、被相続人の死亡の後における配偶者の生活の保障という要請もございます。さらに、配偶者は同世代であることが多く、遠からず次の相続が生ずることも想定されます。これらの事情を考慮して、配偶者が取得する財産については税額を大きく軽減することとされております。
軽減の対象となるのは、配偶者の法定相続分に相当する額、又は法令の定める一定の額のいずれか多い額までに対応する部分でございます。その具体的な額は法令の改正により変動いたしますので、税務の取扱いにつきましては税理士に御確認ください。当事務所は税務申告及び税務代理を行うものではございません。
この軽減を受けるためには、原則として申告期限までに遺産分割が成立し、配偶者が取得する財産が確定していることを要します。分割が未了の場合には、その旨の届出をしたうえで、一定の期間内に分割を成立させることにより、後日に軽減の適用を受ける道が用意されております。
なお、婚姻の届出をした配偶者に限られます。内縁の配偶者には適用がございません。婚姻の期間の長短は問われないものとされております。
第2節 実務上の留意点
第一に、申告期限との関係でございます。遺産分割の協議が調わないまま期限を迎えますと、軽減の適用を受けられないこととなり、いったんは高額の納付を要します。紛争が長期化している事案では、期限内の届出を失念しないよう注意を要します。当事務所といたしましても、税務上の期限を意識しながら交渉の進行を図ることといたしております。
第二に、二次相続への配慮でございます。一次の相続において配偶者が多くの財産を取得いたしますと、その時点の税額は抑えられますが、配偶者の死亡による次の相続において、子が負担する税額が増加することがございます。目先の税額のみによって取得する財産を決することは、必ずしも適切ではございません。
第三に、当事務所の観点から重要でございますのは、税額の軽減を理由として、配偶者に不相応に多くの財産を取得させる内容の分割が提案される場面でございます。配偶者の意思に沿うものであれば差し支えございませんが、他の相続人の意向によって形式的にそのような分割がされ、後に紛争を生ずる例がございます。
第四に、隠蔽又は仮装がされていた財産につきましては、この軽減の適用が制限されます。名義預金の取扱いをめぐって問題となることがございますので、申告に際しては財産の帰属を慎重に検討する必要がございます。
第3節 関連する用語
配偶者、配偶者居住権、名義預金、法定相続分が関連いたします。税務の取扱いにつきましては税理士に御確認ください。弁護士費用につきましては弁護士費用一覧のページを御覧ください。
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