配偶者

配偶者とは、婚姻の届出をした夫又は妻をいいます。民法第890条は、被相続人の配偶者は常に相続人となる旨を定めており、他に相続人があるときは、その者と同順位で相続人となります。
第1節 相続における地位
配偶者は、血族相続人のような順位を有しません。子があればその子と、子がなければ直系尊属と、いずれもなければ兄弟姉妹と、それぞれ共に相続人となります。血族相続人が全く存在しない場合には、配偶者が単独で相続いたします。
法定相続分は、子と共に相続人となる場合は2分の1、直系尊属と共に相続人となる場合は3分の2、兄弟姉妹と共に相続人となる場合は4分の3でございます。民法第900条に定めがございます。
ここにいう配偶者とは、婚姻の届出をした者に限られます。内縁の配偶者は、いかに長期にわたり生活を共にしていたとしても、相続人とはなりません。他方、離婚をした元の配偶者も相続人ではございません。婚姻の届出がされているか否かという形式によって判断されるという点が、この語の理解の要点でございます。
第2節 配偶者の保護に関する制度
平成30年の相続法の改正により、配偶者の居住の保護を目的とする制度が設けられました。第一に、配偶者居住権でございます。被相続人の財産に属した建物に相続の開始の時に居住していた配偶者は、遺産分割、遺贈又は死因贈与によって、終身又は一定の期間にわたりその建物を無償で使用及び収益をする権利を取得することができます。所有権を取得する場合に比べて評価額が低く抑えられますので、居住を確保しつつ、預貯金その他の財産も取得しやすくなるという利点がございます。
第二に、配偶者短期居住権でございます。相続の開始の時に被相続人の建物に無償で居住していた配偶者は、遺産分割によりその建物の帰属が確定する日又は相続の開始の時から一定の期間を経過する日のいずれか遅い日までの間、引き続き無償で使用することができます。直ちに退去を求められる事態を防ぐための制度でございます。
第三に、持戻しの免除の意思表示の推定でございます。婚姻の期間が長期に及ぶ夫婦の一方が他方に対し、居住の用に供する建物又はその敷地を遺贈又は贈与したときは、持戻しを免除する意思表示があったものと推定されます。民法第903条第4項でございます。
第3節 実務上の留意点
第一に、子のない夫婦の一方が亡くなられた場合、配偶者は義理の父母又は義理の兄弟姉妹と遺産分割の協議を行うこととなり、負担の大きい類型でございます。遺言を作成しておくことが有効な対策となります。とりわけ兄弟姉妹には遺留分がございませんので、遺言によって配偶者に全ての財産を相続させることが可能でございます。
第二に、内縁の配偶者に財産を残されることを希望される場合には、遺言、生前の贈与、生命保険金の受取人の指定などの方法を検討することとなります。相続人の遺留分に配慮した内容とすることが望まれます。
第4節 関連する用語
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