印鑑証明書

印鑑証明書とは、市区町村長に登録された印鑑につき、その印影が登録された印鑑のものであることを証明する書面をいいます。正式には印鑑登録証明書と申します。相続の手続におきましては、書面に押された印が本人の実印であることを裏付ける資料として用いられます。
第1節 登録と交付
印鑑の登録及びその証明に関する事務は、住所地の市区町村が条例に基づいて行っております。登録をした印鑑を実印と申しまして、登録をしていない印鑑と区別いたします。登録の後は、印鑑登録証又はこれに代わるカードの提示によって、証明書の交付を受けることができます。
法人につきましては、市区町村ではなく、登記所が印鑑に関する証明書を発行いたします。相続財産に法人の持分等が含まれ、法人が手続の当事者となる場合には、こちらを用いることになります。
第2節 相続の手続における用途
遺産分割協議書には、共同相続人の全員が署名し、実印を押印したうえで、各人の印鑑証明書を添付するのが実務の通例でございます。相続による所有権の移転の登記の申請におきましても、遺産分割協議書を添付情報とする場合には、これに押された印に係る印鑑証明書の添付が求められます。
このほか、金融機関における預貯金の払戻し又は名義の変更の手続、有価証券の名義の書換えの手続、相続税の申告書に遺産分割協議書を添付する場合などにおいても、提出を求められます。
証明書そのものに法令上の一般的な有効期間が定められているわけではございませんが、提出先が独自に作成後の期間の制限を設けていることが多うございます。手続ごとに何通必要となるかを確認したうえ、まとめて取得しておくと二度手間を避けることができます。
第3節 実務上の留意点
実印及び印鑑証明書は、本人の意思を裏付ける最も強い資料の一つでございます。内容を確認しないまま他の相続人に実印を預け、又は白紙の書面に押印をいたしますと、意図しない内容の遺産分割協議書が作成される危険がございます。押印は、書面の内容を確認したうえで、御自身で行っていただくのが安全でございます。
国外に居住しており日本国内に住民登録のない相続人につきましては、印鑑の登録をすることができません。この場合には、在外公館において署名についての証明を受け、これをもって印鑑証明書に代えるのが通例でございます。
なお、登記の申請の代理は司法書士の業務でございますので、当事務所においてこれを行うものではございません。
また、相続人の一人が他の相続人の実印及び印鑑証明書を用いて、無断で遺産分割協議書を作成する事例が見受けられます。このような書面によって登記がされた場合には、遺産分割協議が成立していないことを主張し、登記の抹消等を求めることになりますが、既に第三者に権利が移転している場合には回復が困難となる余地がございます。印鑑証明書の交付を求められた際には、何の手続に用いるものかを確認しておくことが肝要でございます。
第4節 関連する用語
遺産分割協議書、戸籍謄本、相続関係説明図、固定資産評価証明書などの用語も併せて御参照ください。弁護士費用につきましては、弁護士費用一覧のページを御覧ください。
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