固定資産評価証明書

固定資産評価証明書とは、固定資産課税台帳に登録された土地及び家屋の価格その他の事項を証明する書面をいいます。当該資産の所在地の市町村が交付いたします。ここにいう価格は、固定資産税の課税標準の基礎となるものでございまして、固定資産税評価額と呼ばれております。
第1節 相続の手続における用途
第一に、相続による所有権の移転の登記の申請に際して用いられます。登記の申請には登録免許税を要し、その課税標準は不動産の価額とされておりますところ、この価額は固定資産課税台帳に登録された価格によることとされております。そのため、価額を明らかにする資料として提出いたします。
第二に、相続税の申告における家屋の評価に用いられます。家屋の価額は、固定資産税評価額を基礎として算定するものとされております。これに対し、宅地の価額は、路線価が定められている地域においては路線価によって算定いたしますので、両者の扱いは異なります。
第三に、遺産分割において不動産の価額を検討する際の一資料となります。もっとも、固定資産税評価額は課税のために画一的に定められるものでございまして、取引の実勢とは一致いたしません。遺産分割における評価は、当事者の合意又は家庭裁判所の判断によるものでございますので、これのみに依拠して分割の内容を定めますと、実質的に不均衡な結果を招く余地がございます。
第2節 交付の請求
交付を請求することができるのは、当該資産の所有者のほか、相続人その他の法令に定める者でございます。相続人が請求する場合には、被相続人の死亡の記載のある戸籍及び請求者が相続人であることを示す戸籍を添えることになります。
あわせて名寄帳の写しを取得いたしますと、被相続人が当該市町村の区域内に所有する不動産を一覧することができます。遺産の全体を把握するうえで有用でございます。
第3節 実務上の留意点
私道の用に供されている土地その他の課税がされていない不動産は、評価証明書に現れないことがございます。名寄帳においても把握しきれない場合がございますので、登記記録及び公図を併せて確認し、遺産から漏れることのないよう注意を要します。相続による所有権の移転の登記は申請が義務とされておりますので(不動産登記法第76条の2)、漏れを生じますと、その義務の履行にも支障を来す余地がございます。
なお、登記の申請の代理は司法書士の業務であり、不動産の鑑定評価は不動産鑑定士の業務でございます。いずれも当事務所がこれを行うものではございません。税務の取扱いにつきましては、税理士に御確認ください。当事務所が担いますのは、遺産の範囲及び分割の内容をめぐる相続人間の紛争の解決でございます。
また、評価証明書に記載された価格は、その年度のものでございます。年度をまたいで手続を行う場合には、提出先から最新の年度のものを求められることがございますので、取得の時期にも御留意ください。
第4節 関連する用語
路線価、財産評価基本通達、底地、遺産分割協議書、印鑑証明書などの用語も併せて御参照ください。弁護士費用につきましては、弁護士費用一覧のページを御覧ください。
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