遺産分割協議

遺産分割協議とは、共同相続人の全員が、相続財産に属する個々の財産を誰にどのように帰属させるかについて話し合い、合意をすることをいいます。共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができます(民法第907条第1項)。

目次

第1節 協議の当事者と方法

協議には共同相続人の全員が加わらなければならず、一人でも欠いた協議は無効でございます。もっとも、全員が一堂に会することまでは必要とされておりません。書面を順次回付する方法や、電話、書簡等によって意思を確認する方法によっても、全員の意思が合致していれば協議は成立いたします。

相続人以外にも協議に加わる者がございます。包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有しますので(民法第990条)、当事者となります。相続分の譲渡を受けた者も同様でございます。他方、相続放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされますので(民法第939条)、協議に加わりません。

第2節 分割の方法と基準

分割の方法には、個々の財産をそのまま各相続人に取得させる現物分割、特定の相続人が財産を取得して他の相続人に対価を支払う代償分割、財産を売却して代金を分ける換価分割、複数の相続人の共有とする方法がございます。いずれによるかは、財産の性質と相続人の事情によって選択いたします。

民法は分割の基準を定めており、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをするものとしております(民法第906条)。

遺産の分割は、相続の開始の時に遡ってその効力を生じます。ただし、第三者の権利を害することはできません(民法第909条)。

第3節 実務上の留意点

協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができます(民法第907条第2項)。実務上は、まず調停の申立てを行い、調停が成立しない場合に審判に移行するのが通例でございます。

また、相続の開始の時から10年を経過した後にする遺産の分割につきましては、原則として特別受益及び寄与分の主張をすることができず、法定相続分又は指定相続分によることとされております(民法第904条の3)。協議が長期にわたる場合には、この期間に注意を要します。

遺産分割が調うまでの間、被相続人の預貯金から葬儀費用等を支出する必要が生ずることがございます。この場合には、各共同相続人が単独で一定の範囲の預貯金債権を行使することができる制度が設けられております(民法第909条の2)。配偶者の居住の確保が必要な事案におきましては、遺産分割によって配偶者居住権を設定する方法もございます(民法第1028条第1項第2号)。

第4節 関連する用語

遺産分割、遺産分割協議書、代償分割、換価分割、特別受益、寄与分などの用語も併せて御参照ください。弁護士費用につきましては、弁護士費用一覧のページを御覧ください。

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本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次の御案内のページに整理しています。あわせて御覧ください。

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