事業承継を弁護士に相談を検討中の方へ|弁護士に依頼するメリットや相談の流れまで解説

「自社株が複数の親族に分散していて、後継者にどう集約すればよいかわからない」「子どもに会社を継がせたいが、他の相続人との関係が気になる」「経営者保証を解除してから引退したい」――事業承継を控えた経営者の方は、こうした不安や課題を抱えながらも、どこにどう相談すればよいか判断がつかず、先延ばしにしてしまうことが少なくありません。

事業承継は、税務面の対応だけでなく、自社株の分散防止、親族間の利害調整、経営者保証の解除、後継者育成期間の備えなど、法的な対応が同時並行で必要となります。これらの論点を見落としたまま手続きを進めると、後継者世代に深刻な紛争を残すおそれがあります。

本記事では、事業承継を弁護士に相談すべきケース、弁護士が担う役割と他の専門家との違い、依頼した場合の費用相場、選び方のポイント、そして2026年〜2027年に向けた最新の制度動向まで、経営者の方が判断に必要な情報をまとめて解説します。

Contents
  1. 事業承継を弁護士に相談すべきケース
    1. 自社株が分散しているケース
    2. 後継者以外に相続人がいるケース
    3. M&Aや経営者保証の解除を伴うケース
    4. 親族間で意見が割れているケース
    5. 判断に迷うときの無料相談の活用
  2. 事業承継における弁護士の役割
    1. 経営権と財産権の承継への法的サポート
    2. 他士業との役割の違い
  3. 事業承継を弁護士に依頼するメリット
    1. 自社株の分散による経営判断の停滞を防げる
    2. 親族間の遺留分トラブルを未然に抑えられる
    3. 経営者保証の二重徴求を回避できる
    4. 認知症リスクへの備えとして民事信託を組成できる
  4. 弁護士が提案する事業承継の主な5スキーム
    1. 持株会社スキーム
    2. 従業員持株会
    3. 一般社団法人の活用
    4. 種類株式の活用
    5. 民事信託
  5. 事業承継を弁護士に依頼したときの費用相場
    1. 相談料の相場
    2. 着手金の相場
    3. 報酬金の相場
    4. 料金体系の3パターン
  6. 事業承継の相談先と専門家の使い分け
    1. 弁護士が良いケース
    2. 税理士が良いケース
    3. M&A仲介会社が良いケース
    4. 公的窓口が良いケース
  7. 事業承継に強い弁護士の選び方
    1. 事業承継・M&Aの取扱実績
    2. 自社株対策・少数株主対策への対応力
    3. 連絡のレスポンスと相談時間の柔軟性
    4. 料金体系の透明性
    5. 他士業との連携体制
    6. 依頼を避けたい弁護士の特徴
  8. 2026年〜2027年に押さえたい事業承継の最新動向
    1. 事業承継税制(特例措置)の期限
    2. 後継者不在率は2025年に50.1%まで改善
    3. 経営者保証の解除環境の整備
    4. 金利上昇による資金調達コストの増加
  9. M&A総合法律事務所への相談の流れ
    1. お問い合わせ・予約
    2. 相談日時の調整と相談料の事前支払い
    3. 法律相談の実施
  10. 事業承継に関するよくある質問
    1. Q1. 事業承継の準備はいつから始めるべきですか?
    2. Q2. 事業承継にはどれくらいの期間がかかりますか?
    3. Q3. 事業承継税制(特例措置)は使ったほうが良いですか?
    4. Q4. 親族内承継とM&Aで迷っています。どちらを選ぶべきですか?
    5. Q5. 経営者が認知症になった後でも事業承継はできますか?
    6. Q6. 遠方からでも依頼できますか?
  11. 事業承継・自社株対策はM&A総合法律事務所へ
    1. M&A総合法律事務所の特徴
    2. 弁護士費用
    3. ご相談方法

事業承継を弁護士に相談すべきケース

事業承継は、税理士や金融機関への相談で進められるケースもありますが、株式の分散、親族間の対立、経営者保証など法的論点が絡む場合は、最初の段階から弁護士の関与があったほうが安全です。

特に、自社株が複数の親族や元従業員に分散している、後継者以外に相続人がいる、M&Aや経営者保証の解除を伴う、親族間で意見が割れる兆候がある、といった状況に該当する場合は、紛争化する前に弁護士へ相談する判断が向きます。ここでは、弁護士相談が向くケースを順に解説します。

自社株が分散しているケース

自社株が経営者一人に集中しておらず、複数の親族や元従業員に分散している会社では、弁護士相談の優先度が高まります。分散した株式は、少数株主による議決権行使、株主提案権、帳簿閲覧権の行使を招きやすく、迅速な経営判断の足かせとなるためです。

中小企業庁の事業承継ガイドラインでも、株式の集約は事業承継の主要な検討事項として位置づけられており、株式買取、スクイーズアウト(株式併合、全部取得条項付種類株式の活用、特別支配株主の株式等売渡請求など、少数株主を退出させるために用いられる会社法上の手法)や、目的に応じた株式交換などを伴う場面では、弁護士の関与が前提となります。

特に、過去の名義借りによって名義株(実質的な株主と名義人が異なる株式)が存在する場合や、所在不明の株主がいる場合は、放置するとM&Aや承継の障害となります。早期に株主構成を明確化するための法的対応が欠かせません。自社株が分散している状況にお心当たりがある場合は、弁護士法人M&A総合法律事務所までお早めにご相談ください。

後継者以外に相続人がいるケース

後継者以外に配偶者や子どもなどの相続人がいる場合も、弁護士相談が望ましいケースに該当します。

民法上、相続人には遺留分(一定の相続人に最低限保障される相続分)が認められており、後継者に自社株を集中させた結果、他の相続人から遺留分侵害額請求を受けるリスクがあるためです。請求が認められれば、後継者は他の相続人に対して金銭を支払う必要があり、会社のキャッシュフローに影響が及ぶ場合があります。

種類株式の活用、生前贈与、民事信託などを組み合わせ、遺留分への配慮を組み込んだ承継設計には法的判断が伴うため、税務面の検討だけでは対応しきれない領域です。相続発生前から弁護士が関与することで、相続発生後の紛争を抑えやすくなりますので、お早めにご相談ください。

M&Aや経営者保証の解除を伴うケース

第三者承継(M&A)を視野に入れている場合や、経営者保証の解除を希望する場合も、弁護士の関与が必要となります。

M&Aでは、株式譲渡契約書、事業譲渡契約書、表明保証条項、デューデリジェンス対応など、法的論点が広範に及びます。特にM&A仲介会社は、売り手・買い手の双方と契約し、双方から手数料を受け取る仲介形態を採ることが多いため、利益相反リスクに注意が必要です。売り手側の利益を最大化したい場合は、独立した弁護士の関与が安全です。

経営者保証の解除については、経営者保証に関するガイドラインや事業承継特別保証制度の活用により道筋がついてきていますが、金融機関との交渉には法的根拠と論理構成が必要であり、弁護士による交渉支援が有効な選択肢となります。

親族間で意見が割れているケース

承継の方針について親族間で意見が割れている場合も、弁護士相談を急ぐべきケースです。

意見対立が表面化してから弁護士を入れると、相手方から「敵対的に動いてきた」と受け取られ、関係修復が難しくなる傾向があります。一方、対立が顕在化する前に弁護士が関与すれば、第三者として冷静な調整役を果たすことができ、関係者全員が納得しやすい着地点を設計しやすくなります。

「揉めてから依頼する」のではなく「揉めない設計のために依頼する」という発想が、弁護士相談を活用する際の重要な視点といえます。

判断に迷うときの無料相談の活用

自社の状況がどのケースに該当するか判断に迷うときは、まず無料相談で見極めるのが効率的です。事業承継は、案件ごとに論点と難易度が大きく異なるため、自分の置かれた状況を専門家と一緒に切り分ける作業から始めるのが適切だからです。

弁護士法人M&A総合法律事務所では、初回50分の無料相談を受け付けています。遠方等で来所が難しい場合は、電話相談やZoom・Microsoft Teamsによるオンライン相談も可能です。最初の相談で「弁護士の関与が必要な論点があるかどうか」「あるとすればどの程度の規模感になるか」を見通すことができます。ご相談予約は電話、お問い合わせフォーム、LINEから可能で、受付時間は8:00〜24:00、土日祝も対応しています。

事業承継における弁護士の役割

事業承継における弁護士の役割は、経営権と財産権の承継に伴う法的論点を一手に引き受け、税理士・M&A仲介・金融機関などと並走しながら、依頼者の側に立った法的判断と交渉を担うことにあります。

事業承継は、株式の移転、契約関係の引継ぎ、経営者保証の見直し、相続対応など、法律と経営が複雑に絡む領域であり、税務処理だけでは完結しません。ここでは、弁護士が担う具体的な役割と、他士業との違いを順に解説します。

経営権と財産権の承継への法的サポート

弁護士は、事業承継を「経営権の承継(ヒトの承継)」と「財産権の承継(モノの承継)」の両面から支援します。

経営権の承継では、株主構成の見直し、少数株主への対応、経営者保証の解除交渉などが対象となります。財産権の承継では、自社株の評価、移転、遺留分への配慮などが対象です。これら両面に法的助言と交渉を提供できる専門家は、士業のなかでも弁護士が中心的存在です。

自社株の集約と分散防止の設計

自社株が複数の株主に分散している会社では、後継者に経営権を集中させるための株式の集約が必要となります。

弁護士は、株式併合などのスクイーズアウト手法のほか、会社の状況に応じて株式交換・株式移転などの組織再編手法も検討し、株式集約を法的に支援します。また、事業承継後に株式が再度分散しないよう、種類株式の発行や譲渡制限規定の見直しなど、分散防止の仕組みも併せて設計します。

親族・株主・取引先との交渉代理

事業承継では、後継者以外の親族、少数株主、主要取引先、金融機関など、多くの関係者との調整が発生します。

弁護士は、依頼者の代理人として、これらの関係者と直接交渉を行うことができます。紛争性のある法律問題について、依頼者の代理人として交渉・訴訟対応を担える点は、弁護士に依頼する大きな利点であり、紛争化のリスクがある局面ほど価値が大きくなります。

経営者保証の解除に向けた金融機関交渉

中小企業の融資では、経営者本人が連帯保証人となっているケースが多く、事業承継時にこの保証をどう扱うかが課題となります。

弁護士は、経営者保証に関するガイドラインを踏まえた交渉方針を組み立て、金融機関に対して前経営者の保証解除と、後継者への保証の再徴求を回避する論理を提示します。事業承継特別保証制度における専門家による確認や、制度の活用判断にも、法的な検討が伴います。

後継者の育成期間中の法的支援

事業承継は数年単位の時間がかかるため、その期間中に後継者が直面する法的論点にも継続的な支援が必要です。

経営判断に伴う取締役の善管注意義務、株主総会の運営、契約締結時のリーガルチェックなど、後継者にとって慣れない場面で弁護士が伴走することで、判断ミスを防ぐことができます。

他士業との役割の違い

事業承継には弁護士以外にも、税理士、M&A仲介会社、司法書士、社労士など多様な専門家が関わります。それぞれ得意領域が異なるため、案件の論点に応じて適切な担当者を選ぶ必要があります。

下記の表は、各専門家の得意領域と注意点をまとめたものです。

専門家 得意領域 注意点
弁護士 法的紛争予防・交渉代理・契約書作成・会社法手続き 税務計算は専門外
税理士 自社株評価・相続税・贈与税・事業承継税制 紛争交渉や訴訟は対応外
M&A仲介会社 買い手探索・条件交渉の仲介 利益相反リスクに注意
司法書士 登記手続き 紛争交渉は対応外
社労士 労務関連手続き 株式・契約は対応外

それぞれの違いを順に解説します。

税理士との違い

税理士は、自社株評価や相続税・贈与税の試算、事業承継税制の申請手続きなど、税務面の検討に欠かせない専門家です。

一方で、株主間の紛争や遺留分対応など法的紛争が絡む論点には対応できないため、税理士単独では事業承継の全体を完結させにくい場面があります。弁護士と税理士は対立する存在ではなく、互いに連携して案件を進める形が望ましいといえます。

M&A仲介会社との違い

M&A仲介会社は、買い手企業の探索や条件交渉の仲介において強みを持ちます。

しかし、仲介契約は売り手・買い手の双方と契約し、双方から手数料を受け取る仲介形態が一般的であり、純粋に売り手側の利益のみを追求する立場ではありません。売り手側の利益を最大化したい場合は、M&A仲介会社の動きを横で確認できる独立アドバイザーとして弁護士を関与させるのが安全です。

司法書士・社労士との違い

司法書士は、株式移転や代表者変更に伴う登記手続きを担う専門家であり、社労士は労務関連の手続きを担います。

いずれも事業承継の局面で必要な役割を果たしますが、紛争予防や交渉、契約書のリーガルチェックは対応領域外です。弁護士が全体を見渡しながら、各士業に必要な役割を振り分ける形が円滑です。

事業承継を弁護士に依頼するメリット

事業承継を弁護士に依頼する最大の利点は、対策をしないまま承継を進めた場合に起こり得る深刻な紛争を、未然に抑えられる点にあります。

ここでは、弁護士の関与によって回避できる代表的なリスクを4つ取り上げ、対策をしなかったときに何が起こり、弁護士が入ることで何が変わるのかを具体的に解説します。

自社株の分散による経営判断の停滞を防げる

自社株が複数の株主に分散している場合、弁護士の関与によって少数株主の権利行使に対する備えを講じることができます。

中小企業のオーナー企業では、過去の相続や名義借りによって株式が分散しているケースが珍しくなく、これを放置すると重要な経営判断の場面で議決権行使や株主提案権の行使を受け、機動的な意思決定が難しくなります。

弁護士は、株式買取請求への対応、株主総会運営の法的助言、スクイーズアウトの設計など、株式分散に伴うリスクへの対応を一手に引き受けます。

少数株主の権利行使への対策

少数株主には、議決権だけでなく、株主提案権、帳簿閲覧権、取締役解任請求権など多様な権利が認められています。

これらが行使されると、経営判断が遅延するだけでなく、社内情報の流出や敵対的な株主行動を招くリスクもあります。弁護士は、少数株主からの権利行使に対して、法的根拠を踏まえた応答や、必要に応じた株式買取の交渉を行います。

名義株・所在不明株主への対応

過去の名義借りや、所在不明株主が存在する場合、これらは事業承継やM&Aの大きな障害となります。

弁護士は、名義株の真正な株主の確認手続きや、所在不明株主への対応を支援します。所在不明株主については、会社法上、5年以上通知が到達せず、かつ5年間剰余金の配当を受領していないなどの要件を満たす場合に、所定の手続により株式売却を検討できることがあります。これらの対応により、株主構成の明確化を図ります。

親族間の遺留分トラブルを未然に抑えられる

後継者に自社株を集中させた結果、他の相続人から遺留分侵害額請求を受けるリスクは、事業承継の代表的な懸念事項です。

弁護士は、相続発生前から遺留分を意識した承継設計を行うことで、相続発生後の紛争を未然に抑える助言と書類作成を支援します。

種類株式や生前贈与の組み合わせ

後継者に議決権付き普通株式を、他の相続人には議決権を制限しつつ配当面を優先する種類株式を割り当てることで、議決権の集中と他の相続人への財産的配慮を両立できる場合があります。

また、生前贈与・遺言・民事信託を組み合わせることで、相続発生時の紛争を抑える設計が可能となります。これらの設計は税務との連携も必要となるため、弁護士と税理士が連携して進める案件が一般的です。

経営者保証の二重徴求を回避できる

経営者保証は、後継者が事業承継をためらう代表的な理由のひとつです。

経営者保証に関するガイドラインは、2013年12月に公表され、2014年2月から運用が開始された自主的なルールです。また、事業承継時の特則は2019年12月に公表され、2020年4月から適用が開始されました。これらにより、前経営者と後継者の双方から保証を取る二重徴求は原則として行わない運用が広がっています。

弁護士は、金融機関との交渉において、ガイドラインの要件充足を論理的に説明し、前経営者の保証解除と、後継者の保証回避を支援します。事業承継特別保証制度では、専門家による確認を受けることで信用保証料率の軽減を受けられる場合があるため、保証解除と資金調達コストの抑制を同時に進めることができます。経営者保証の解除に向けた進め方は会社ごとに異なりますので、現在のご状況に応じた対応をご検討の方は、弁護士法人M&A総合法律事務所までご相談ください。

認知症リスクへの備えとして民事信託を組成できる

経営者の認知症は、事業承継を一夜にして停止させてしまう深刻なリスクです。

経営者本人が判断能力を失うと、株主総会での議決権行使、株式の贈与、契約の締結など、ほぼすべての行為が法的に難しくなります。

弁護士は、民事信託(委託者が特定の財産を受託者に移転等し、受託者が信託目的に従って受益者のために管理・処分する仕組み)を組み合わせることで、経営者の判断能力が低下しても株式の権利行使が止まらない仕組みを構築できます。民事信託は、後継者育成期間中も先代が経営権を保持しつつ、認知症リスクへ備えるための柔軟な手段として活用されています。経営者の判断能力があるうちにご対応いただくことが望ましい論点ですので、お早めに弁護士法人M&A総合法律事務所までご相談ください。

弁護士が提案する事業承継の主な5スキーム

事業承継で活用される代表的な法的設計には、持株会社スキーム、従業員持株会、一般社団法人の活用、種類株式の活用、民事信託の5つがあります。

これらは単独で使うこともあれば、複数を組み合わせて使うこともあり、案件の規模、後継者の状況、株主構成によって最適な組み合わせが変わります。

以下の表は、5スキームの目的と適用しやすい場面をまとめたものです。

スキーム 主な目的 適用しやすい場面
持株会社 株式の集約・節税・グループ一括承継 複数のグループ会社を保有
従業員持株会 安定株主の確保・社外流出防止 従業員数が一定規模ある会社
一般社団法人 持ち分概念の消滅・相続税対策 長期にわたる承継設計
種類株式 議決権と財産価値の分離 後継者以外の相続人がいる
民事信託 認知症対策・段階的承継 後継者育成期間が必要

持株会社スキーム

持株会社スキームは、株式の保管・管理を主目的とする会社を新設し、事業会社の株式をその持株会社に集約する手法です。

オーナー経営者の保有株を持株会社に移すことで、相続発生時にもグループ会社株式の分散を防ぐことができます。また、すでに分散している株式についても、株式併合などのスクイーズアウト手法や、株式交換・株式移転などの組織再編手法を活用することで、持株会社に集約することが可能です。

持株会社の株価を抑えた設計を行えば、相続税の軽減にもつながります。複数のグループ会社を持つ中堅企業や、大規模な自社株対策が必要な場面で多く採用されるスキームです。

従業員持株会

従業員持株会は、従業員が共同で自社株を保有する仕組みであり、安定株主の確保と相続財産の圧縮を同時に進められます。

オーナーから従業員持株会に株式を譲渡・贈与することで、株式の社外流出を防ぎつつ、オーナーの相続財産を減らす効果があります。また、従業員持株会への株式譲渡では、支配株主ではない持株会が買い手となるため、株価が低く評価される傾向があり、株式譲渡益への課税負担を抑えられるという利点もあります。

ただし、従業員の退職時に株式買取資金を用意する必要があるなど、運用面での備えも欠かせません。

一般社団法人の活用

一般社団法人は「持ち分」の概念を持たない法人形態であり、株式会社のような持分はありません。

事業承継での活用方法は、一般社団法人を事業会社の株式を保有する持株会社的存在として設立し、代表者の地位を後継者に引き継ぐ形が中心です。これにより、後継者は一般社団法人を通じて事業会社を支配でき、株式の分散リスクが構造的になくなります。

ただし、親族等で支配する特定一般社団法人等に該当する場合には相続税が課されることがあるため、税務面の確認が不可欠です。また、理事任期が最長2年で頻繁な役員変更登記が必要となるなど、運用上の注意点もあります。

種類株式の活用

種類株式は、会社法108条1項が列挙する9つの事項について、普通株式と異なる権利内容を定められる株式です。

事業承継では、後継者に議決権付きの普通株式を、後継者以外の相続人には、議決権を制限しつつ配当面を優先する種類株式を割り当てることで、議決権の集中と財産的配慮を両立できる場合があります。配当面で優遇される種類株式は、後継者以外の相続人からも納得を得やすく、遺留分への配慮にもつながります。

定款変更や種類株主総会など、会社法上の手続きが必要となるため、弁護士の関与が前提となるスキームです。

民事信託

民事信託は、委託者が特定の財産を受託者に移転等し、受託者が信託目的に従って受益者のために管理・処分する仕組みです。

事業承継では、先代経営者を委託者兼受益者、後継者を受託者兼受益者とする信託契約を締結することで、後継者が株式の権利行使を引き継ぎつつ、先代が引き続き受益権を保持する形を取れます。先代経営者が判断能力を失った場合でも信託契約は継続するため、認知症リスクへの備えとして機能します。

また、後継者育成期間中は先代を指図権者として残し、経営権を段階的に移譲する設計も可能です。民事信託は柔軟な設計ができる反面、遺留分への扱いについて判断が定まっていない部分もあるため、弁護士による精緻な設計が必要です。

事業承継を弁護士に依頼したときの費用相場

事業承継を弁護士に依頼した場合の費用は、相談料、着手金、報酬金、実費の組み合わせで構成されるのが一般的です。

金額は事案の難易度、関与範囲、紛争性の有無、依頼する事務所の料金体系により大きく異なるため、本記事に示す相場感はあくまで目安となります。実際の費用は、ご相談時に見積もりを確認することが重要です。次の表は、各費用項目の一般的な相場をまとめたものです。

費用項目 相場の目安 発生タイミング
相談料 1時間あたり1万円〜3万円 相談時
着手金 30万円〜 委任契約締結時
報酬金 経済的利益の数%〜10%程度 案件完了時
実費 事案によって変動 都度精算

これらの相場はあくまで目安であり、料金体系のタイプによっても費用構造が変わります。

相談料の相場

相談料の相場は、1時間あたり1万円〜3万円が中心です。

ただし、初回相談を無料とする事務所や、Zoom・電話相談に限定して無料相談を提供する事務所もあるため、最初のハードルを下げたい場合は、無料相談枠を持つ事務所を選ぶのも選択肢です。

事業承継のように関係者が複数で論点が多い案件では、1時間の相談では概要しか把握できないことが多いため、複数回の相談を前提に設計する形が望ましいといえます。

着手金の相場

着手金は、委任契約を結ぶ際に支払う費用であり、案件の難易度や見込まれる作業量に応じて決まります。

事業承継案件では、30万円〜が中心的な相場ですが、関係者が多く紛争性が高い案件では100万円を超えるケースもあります。着手金は、依頼後の結果にかかわらず原則として返金されない費用であるため、契約前に作業範囲と着手金の対応関係を明確にしておくことが重要です。

報酬金の相場

報酬金は、案件が完了した時点で支払う費用であり、得られた経済的利益の数%〜10%程度が一般的です。

経済的利益とは、たとえば株式買取金額の引き下げ額、遺留分請求の減額分、保証解除によって得た利益などを指します。報酬金の計算方式は事務所によって異なるため、事前に「何を基準に何%を支払うのか」を確認しておくことが欠かせません。

料金体系の3パターン

事業承継の弁護士費用は、料金体系のタイプによって構造が変わります。代表的な体系は、着手金・報酬金方式、タイムチャージ方式、手数料方式の3つです。

  • 着手金・報酬金方式
  • タイムチャージ方式
  • 手数料方式

それぞれの内容を順に解説します。

着手金・報酬金方式

着手金・報酬金方式は、契約時に着手金を支払い、案件完了時に報酬金を支払う、もっとも一般的な料金体系です。

事務所によって着手金と報酬金のバランスが異なり、着手金を高く設定して報酬金を抑える事務所もあれば、着手金を最低限に抑えて報酬金を重視する事務所もあります。着手金を抑えた料金体系は、依頼者側のリスクを小さくしつつ、弁護士側の結果へのコミットメントを高める設計といえます。

タイムチャージ方式

タイムチャージ方式は、弁護士の稼働時間に応じて費用が発生する方式であり、1時間あたり2万円〜5万円程度が相場です。

紛争性が高く、見通しの立てづらい案件で採用されることが多く、長期化すると費用が膨らみやすいという特徴があります。依頼前に上限金額(キャップ)を設定するなど、費用が想定外に膨らまない仕組みを契約段階で取り決めておくのが安全です。

手数料方式

手数料方式は、特定の業務(契約書作成、登記書類作成など)に対して固定額で対応する料金体系です。

事業承継全体ではなく、部分的な業務だけを依頼したい場合に選ばれる方式であり、業務範囲が明確であるため費用見通しが立てやすいという利点があります。ただし、案件全体を見渡した助言は範囲外となるため、別途相談料が発生することが多い点に注意が必要です。

事業承継の相談先と専門家の使い分け

事業承継の相談先は、弁護士、税理士、M&A仲介会社、公的窓口など多岐にわたります。

それぞれ得意領域と費用感が異なるため、自社の論点に応じて適切な相談先を選ぶ判断が必要です。以下の表は、相談先ごとの特徴をまとめたものです。

相談先 得意領域 費用 注意点
弁護士 法的紛争予防・交渉・契約 1時間1万円〜3万円 税務計算は専門外
税理士 税務・株価評価・税制活用 1時間1万円〜2万円 紛争対応は範囲外
M&A仲介会社 買い手探索・条件交渉 成果報酬型 利益相反リスクに注意
事業承継・引継ぎ支援センター 一次相談 無料 専門対応は士業に紹介
商工会議所 一次相談・専門家紹介 無料 専門対応は士業に紹介
金融機関 資金調達面の相談 無料 担当者の専門性に差

 

それぞれのケースを順に見ていきます。

弁護士が良いケース

法的紛争の可能性がある案件、株式の集約や少数株主対応が必要な案件、経営者保証の解除を伴う案件、M&Aを視野に入れた案件は、弁護士が最初の窓口になります。

特に、親族間で意見が割れる兆候がある場合、過去に名義株が存在する場合、相続発生後に遺留分請求の可能性がある場合は、弁護士からの助言が欠かせません。法的論点が浮上してから対応するのではなく、浮上する前から備えるという考え方が必要です。

税理士が良いケース

すでに後継者が確定しており、親族間にも対立がなく、論点が自社株評価や相続税・贈与税の試算に集中している案件は、税理士が起点となるケースに向きます。

事業承継税制(特例措置)の活用判断や、株価対策を中心に検討したい場合も、税理士の知見が中核となります。ただし、株式の集約や遺留分への配慮など法的論点が浮上した時点で、弁護士との連携が必要となる点には留意が必要です。

M&A仲介会社が良いケース

後継者が確保できず第三者への事業譲渡を視野に入れている場合は、M&A仲介会社の活用も選択肢です。

仲介会社は買い手企業のネットワークを持っており、買い手探索のスピードが速い点が利点です。一方で、利益相反リスクへの注意が必要です。

利益相反リスクへの注意

M&A仲介会社は、売り手・買い手の双方と契約し、双方から手数料を受け取る仲介形態を採ることが多いため、純粋に売り手側の利益のみを追求する立場ではなく、利益相反リスクに留意が必要です。

売り手の利益を最大化したい場合は、仲介会社とは別に独立した弁護士を関与させ、契約条件のチェックや交渉余地の精査を行うのが安全です。

公的窓口が良いケース

事業承継の論点がまだ明確になっておらず、まずは情報収集から始めたい場合は、公的窓口の活用が有効です。公的窓口は無料で利用できるため、初期段階の相談先として広く活用されています。

事業承継・引継ぎ支援センター

国が各都道府県に設置する公的相談機関で、親族内承継、従業員承継、第三者承継のいずれにも対応しています。

ただし、具体的な対応は紹介された士業や仲介会社に委ねられることが多いため、最終的には民間の専門家と契約する流れが一般的です。

商工会議所・商工会

地域の中小企業向けに事業承継相談を受け付けており、月次の経営相談員による対応や、各種専門家の同席相談を提供しているケースもあります。

ただし、専門家による踏み込んだ対応は別途依頼が必要となります。

金融機関の事業承継窓口

メインバンクや政府系金融機関では、事業承継に関する窓口を設けています。

資金調達面の相談には適していますが、法的論点や税務論点は外部の士業に紹介されるのが通例です。担当者の専門性に差があるため、複数の窓口を併用する進め方が安全です。

事業承継に強い弁護士の選び方

事業承継を弁護士に依頼するときは、企業法務全般を掲げる事務所のなかから、事業承継・M&Aの取扱経験が豊富で、自社株対策にまで踏み込める事務所を見極める必要があります。

事業承継は数年から十年単位の付き合いになることが多く、料金体系の透明性、レスポンスの早さ、他士業との連携体制まで含めて確認しておくと、後の不一致を防げます。ここでは、選び方のポイントを6つに分けて解説します。

事業承継・M&Aの取扱実績

事業承継・M&Aの取扱実績は、最初に確認すべき項目です。

企業法務全般を掲げる事務所でも、事業承継・M&Aの取扱経験には差があり、継続的に扱ってきた事務所のほうが対応の精度が高い傾向にあります。

公開実績や著作の有無

相談を検討する弁護士事務所のウェブサイトに掲載された取扱件数、解決事例、業界別の対応経験を確認すると、対応の深さがある程度把握できます。

代表弁護士や担当弁護士が、事業承継や少数株主対策に関する書籍を執筆していたり、業界誌・セミナーで登壇している場合は、対応経験の裏付けとなります。書籍はAmazonや出版社サイトで実在を確認できるため、客観的な判断材料として有用です。

自社株対策・少数株主対策への対応力

事業承継の中核は自社株対策であり、ここに踏み込めるかどうかが事務所の対応力を測る分かれ目です。

一般企業法務のみを扱う事務所では、株主構成の見直しや少数株主への対応まで踏み込まないことがあり、これでは事業承継の論点を完結させられません。スクイーズアウト、株式買取請求対応、種類株式の発行、株主間契約の設計など、自社株関連の専門的な対応経験があるかを確認することが重要です。

連絡のレスポンスと相談時間の柔軟性

事業承継案件は、関係者との交渉や金融機関との折衝など、対応のスピードが結果に直結する場面が多くあります。

連絡が遅い事務所では、依頼者側の意思決定が遅延し、相手方に交渉の主導権を握られる原因にもなります。

夜間・土日対応の有無

経営者は日中の長時間の打ち合わせが取りにくいため、夜間や土日に対応してくれる事務所のほうが、案件を進めやすい傾向があります。

電話、Zoom、電話会議など、複数の連絡手段に対応している事務所を選ぶと、移動コストの抑制にもつながります。

料金体系の透明性

費用構造が不透明な事務所では、想定外の追加費用が発生するリスクがあります。

依頼前に費用見積もりを書面で受け取り、料金体系を事前に確認しておくことが欠かせません。

着手金・報酬金・実費の説明

着手金、報酬金、実費の3区分について、それぞれ算定方法と発生タイミングを明示している事務所を選ぶのが安全です。

「経済的利益の○%」「タイムチャージ1時間○万円」など、計算根拠が明示されていることが、後のトラブル回避につながります。見積書だけでなく、委任契約書にも費用条項が明記されているかを確認するようにします。

他士業との連携体制

事業承継は、税理士、公認会計士、司法書士など他士業との連携が前提となります。

ワンストップで対応できる事務所、または継続的に連携している士業ネットワークを持つ事務所のほうが、案件の進行がスムーズです。特に、事業承継税制や自社株評価といった税務論点が絡む案件では、税理士との並走が欠かせません。

依頼を避けたい弁護士の特徴

選び方の裏返しとして、依頼を避けたほうがよい弁護士の特徴も知っておくと役立ちます。代表的な4つを以下に挙げます。

  • 事業承継の事例が見えない
  • 費用説明が曖昧
  • レスポンスが遅い
  • 自社株対策に踏み込まない

それぞれの内容を順に解説します。

事業承継の事例が見えない

ウェブサイトに事業承継・M&Aの解決事例や取扱件数が掲載されておらず、企業法務全般のメニューのみが並んでいる事務所は、専門性の確認が困難です。

問い合わせ時に過去の対応経験を尋ねても具体例が出てこない場合は、別の事務所も比較対象に加えるのが安全です。

費用説明が曖昧

費用見積もりが口頭でしか提示されず、書面化を求めても応じない事務所は、後の費用トラブルのリスクがあります。

着手金、報酬金、実費の各項目について、書面で明示できる事務所を選ぶようにします。

レスポンスが遅い

最初の問い合わせや無料相談の予約に対する返信が遅い事務所は、依頼後も同様の対応速度になる可能性があります。

事業承継のように関係者が多い案件では、レスポンスの遅さが意思決定の遅延に直結します。

自社株対策に踏み込まない

「自社株は税理士の領域」と切り分けて、株式分散対策や少数株主対応に踏み込まない弁護士では、事業承継の中核論点を任せきれません。

スクイーズアウトや種類株式の活用など、会社法上の手続きを伴う対応経験があるかを確認することが重要です。

2026年〜2027年に押さえたい事業承継の最新動向

事業承継を取り巻く制度環境は、2025年から2027年にかけて大きな転換点を迎えています。

事業承継税制(特例措置)の期限、後継者不在率の改善傾向、経営者保証の解除環境、金利上昇による資金調達コストの増加など、経営者の判断に直接影響する変化が複数同時に進行しています。ここでは、押さえておくべき4つの動向を解説します。

事業承継税制(特例措置)の期限

法人版事業承継税制の特例措置については、2025年度税制改正で後継者の役員就任要件が「贈与の直前」に緩和されました。

そして2026年度税制改正により、法人版の特例承継計画の提出期限は2027年9月30日まで延長されました。一方、贈与・相続の適用期限は2027年12月31日のままで変わっていません。下記の表は、最新の期限をまとめたものです。

区分 提出・適用期限
法人版・特例承継計画の提出期限 2027年9月30日
法人版・贈与/相続の適用期限 2027年12月31日
個人版・個人事業承継計画の提出期限 2028年9月30日
個人版・適用期限 2028年12月31日

法人版・特例承継計画の提出期限は2027年9月30日

2026年度税制改正により、法人版の特例承継計画の提出期限は2027年9月30日まで1年6カ月延長されました。

ただし、計画提出には認定経営革新等支援機関による指導・助言を踏まえた書類作成が必要であり、準備期間を考えると、相談開始は2026年中が望ましい目安となります。

贈与・相続の適用期限は2027年12月31日

特例措置を適用して株式の贈与や相続を実施できる期限は、2027年12月31日のまま変わっていません。

計画の提出が間に合っても、実際の贈与・相続の実施が期限を過ぎると特例措置を活用できなくなるため、計画と実行の双方を視野に入れたスケジュール設計が必要です。

個人版・個人事業承継計画の提出期限は2028年9月30日

個人事業者向けの特例措置については、個人事業承継計画の提出期限が2028年9月30日、適用期限が2028年12月31日まで延長されています。

法人版より1年遅い期限となっているため、個人事業の承継を検討している方は、自身の対象がどちらかを確認する必要があります。

後継者不在率は2025年に50.1%まで改善

帝国データバンクの「全国企業『後継者不在率』動向調査(2025年)」によれば、全国の後継者不在率は50.1%となり、過去最低を記録しました。

7年連続の改善ですが、依然として中小企業の半数は後継者が決まっていない状況にあります。

中小企業の半数は依然として未決

2025年の調査では、後継者が「いない」または「未定」の企業が全国で13.8万社となり、不在率は50.1%という水準にとどまります。

不在率は改善傾向にあるものの、絶対数としてはまだ深刻な規模であり、廃業を選ぶ企業の存在も無視できません。

同族承継から内部昇格への移行傾向

事業承継のパターンとしては、これまで主流だった同族承継が減少傾向にあり、内部昇格による承継が増加しています。

帝国データバンクの調査では、内部昇格が同族承継を上回る兆候も観察されており、事業承継の「脱ファミリー化」が進行しています。この変化は、後継者育成や経営者保証の引継ぎなど、従来の親族内承継とは異なる法的論点を浮上させています。

経営者保証の解除環境の整備

経営者保証に関するガイドラインの運用が定着し、事業承継時の二重徴求(前経営者と後継者の両方から保証を取ること)は原則として行わない方針が広がっています。

事業承継特別保証制度では、専門家による確認を受けることで信用保証料率の軽減を受けられる場合があります。ただし、これらの制度を活用するためには、資産超過であること、EBITDA有利子負債倍率が10倍以内であること、法人と経営者個人の分離が図られていることなど、複数の要件を満たす必要があります。

要件充足の確認と金融機関との交渉には、弁護士による法的支援が有効な選択肢となります。

金利上昇による資金調達コストの増加

2025年から2026年にかけて、長期プライムレートが上昇傾向にあります。

役員退職金の支払い、株式買取資金の調達、MBO(経営陣による自社買収)のための借入など、事業承継に伴う資金調達コストが増加する可能性があります。株価評価への影響は評価手法や会社の財務状況によって異なるため、個別に検討する必要があります。期限を意識した検討開始をご希望の方は、弁護士法人M&A総合法律事務所までお問い合わせください。

M&A総合法律事務所への相談の流れ

弁護士法人M&A総合法律事務所では、お問い合わせから法律相談、対応方針の提示までを、来所相談・電話相談・オンライン相談(Zoom/Teams)のいずれかで実施しています。

ご相談は事前予約制です。お問い合わせ後、当事務所より日程調整のご連絡を差し上げます。

お問い合わせ・予約

ご相談の入り口は、電話、お問い合わせフォーム、LINEの3つの方法から選べます。

ご相談者様のご事情に応じて、最初の連絡手段を選んでいただければ、当事務所より日程調整のご連絡を差し上げます。

相談日時の調整と相談料の事前支払い

お問い合わせ後、ご相談者様と当事務所の弁護士のスケジュールを調整し、ご相談日時を確定します。

来所相談以外の場合(電話相談・オンライン相談)は、ご相談料を相談日の前日までにお支払いいただく形となります。

ご相談者様のご都合に応じた方法でお支払いいただけるよう、複数の決済手段をご用意しています。

法律相談の実施

ご相談当日は、事前にご用意いただいた資料を踏まえて、ご相談内容を詳細にお伺いします。

ご相談の方法は、来所相談、電話相談、オンライン相談の3種類から選べます。

事業承継に関するよくある質問

ここでは、事業承継のご相談で頻繁にいただく質問のうち、本文中で取り上げきれなかった項目を6つに絞ってお答えします。

Q1. 事業承継の準備はいつから始めるべきですか?

事業承継の準備は、経営者が60歳を迎える前後から着手するのが目安です。

事業承継には最低でも3年〜5年、規模の大きな会社や複雑な株主構成を持つ会社では10年程度の準備期間が必要とされ、70代から着手すると判断能力や健康面の制約により予定どおりに進まないリスクがあります。中小企業庁の事業承継ガイドラインでも、早期着手の重要性が繰り返し強調されており、後継者育成や株主構成の見直しを含めると、十分な時間を確保しておくことが望ましいといえます。

Q2. 事業承継にはどれくらいの期間がかかりますか?

事業承継に必要な期間は、案件の規模と論点の数によって大きく異なります。

親族内承継で後継者が明確に決まっており、株主構成にも問題がない場合は、おおむね2年〜3年で承継を完了できることがあります。一方、株式の分散がある、後継者がまだ未確定である、M&Aを視野に入れているといった場合は、5年〜10年規模の時間が必要となるケースも珍しくありません。

Q3. 事業承継税制(特例措置)は使ったほうが良いですか?

事業承継税制の特例措置は、株式に係る贈与税・相続税を一定の要件のもとで猶予する制度で、活用できれば税負担の軽減効果が大きいといえます。

ただし、特例措置では雇用8割維持要件が弾力化されていますが、要件を満たさない場合には理由報告等が必要になるため、適用後の継続要件も含めて確認が必要です。特例措置を取り消されると、猶予されていた税額が遡って課税されるリスクがあるため、自社の事業計画や将来のM&A可能性を踏まえて、活用判断を慎重に行う必要があります。

税理士と弁護士の双方の助言を受けて、制度活用とスキーム設計の両面から検討するのが安全です。

Q4. 親族内承継とM&Aで迷っています。どちらを選ぶべきですか?

親族内承継とM&Aのどちらを選ぶべきかは、後継者候補の有無、現経営者の意向、事業の将来性、株主構成など、複数の要素を踏まえて判断する必要があります。

親族内に後継者の意思と適性がある場合は、経営の連続性と従業員の安心感の面で親族内承継に利点があります。一方、後継者候補が確保できない場合や、事業価値を最大化したい場合は、M&Aによる第三者承継のほうが有力な選択肢となります。

Q5. 経営者が認知症になった後でも事業承継はできますか?

経営者の判断能力が失われた後の事業承継は、極めて困難になります。

株式の贈与、契約の締結、株主総会での議決権行使など、ほぼすべての行為に意思能力が必要となるためです。成年後見制度を利用すれば一定の財産管理は可能ですが、株式の処分や贈与など、事業承継に必要な行為には大きな制約が伴います。

そのため、判断能力があるうちに、民事信託の組成や代理権の付与など、認知症リスクに備えた仕組みを構築しておくことが重要です。

Q6. 遠方からでも依頼できますか?

遠方からのご依頼にも対応しています。

弁護士法人M&A総合法律事務所は東京都港区虎ノ門に所在していますが、遠方等で来所が難しい場合は、電話相談やZoom・Microsoft Teamsによるオンライン相談も可能です。書類のやり取りは郵送、PDF送付、クラウド共有などで進めることができ、地理的な制約はほぼありません。

事業承継・自社株対策はM&A総合法律事務所へ

事業承継は、税務面の対応だけでなく、自社株の集約、親族間の利害調整、経営者保証の解除、後継者育成期間の備えなど、法的な対応が同時並行で必要になります。

「自社株が複数の親族に分散している」「後継者以外の相続人との関係が気になる」「M&Aを視野に入れたい」こうしたご事情をお持ちの経営者様は、できるだけ早い段階で弁護士へのご相談をご検討ください。

M&A総合法律事務所の特徴

弁護士法人M&A総合法律事務所は、創立以来、自社株対策、少数株主対策、事業承継トラブルを中心に取り扱ってきました。

代表弁護士の土屋勝裕は、長島・大野・常松法律事務所においてM&Aを中心とする企業法務に従事し、ペンシルバニア大学ウォートン校への留学などを経て当事務所を開設しました。これまで400件を超えるM&A案件、200件を超える少数株主対策案件に関与してきており、書籍執筆や登壇実績もあります。

弁護士費用

具体的な弁護士費用は、案件の内容や対応方針を踏まえて個別にご案内します。概要は当事務所サイトの弁護士費用一覧ページをご確認ください。

ご相談方法

Zoom、Microsoft Teamsによるオンライン相談、電話会議によるご相談に対応しています。

遠方等で来所が難しい場合も、オンラインで詳細なご相談が可能です。

事業承継・自社株対策に関するご相談は、弁護士法人M&A総合法律事務所までお気軽にお寄せください。