非上場株式の相続トラブルはご相談ください|非上場株式の相続争いに対応

非上場株式(会社株式)の相続争いは、評価額が一義的に定まらず、議決権の所在が会社の経営権を左右するため、通常の遺産分割よりも紛争化しやすい領域です。
当事務所は、M&A・事業承継トラブル・相続トラブルを中核領域として取り扱っており、株式相続を巡る複雑な案件に対応してまいりました。遺産分割協議が進まない方、不当な要求を受けている方、少数株主からの権利行使に直面している経営者の方など、お一人で抱え込まずに当事務所までご相談ください。
【お急ぎの方へ】
株式相続のトラブルは、時間の経過とともに既成事実が積み上がり、対応が困難になる場合があります。
当事務所では電話・お問い合わせフォーム・オンライン相談を承っております。
株式相続でこのようなお悩みはありませんか?
非上場株式(会社株式)の相続を巡るトラブルには、大きく分けて二つの立場があります。一つは、社長や後継者が株式を独占しようとする状況で、不利な扱いを受けている相続人や少数株主の立場です。もう一つは、経営者として少数株主からの権利行使や買取請求に対応しなければならない立場です。当事務所では、いずれの立場の方からのご相談にも対応しております。
相続人・少数株主側でお悩みのケース
非上場株式を巡るご相談者のうち、ご自身が遺産分割で不利な立場に置かれている、あるいは少数株主として権利を主張したいというケースは多く見られます。以下のようなお悩みをお持ちの方は、当事務所までお問い合わせください。
- 社長や後継者が非上場株式を独占する前提で遺産分割協議を進めている
- 親族が株主名簿を書き換え、自分が筆頭株主であると主張している
- 不公平な遺言書により非上場株式が一人に集中している
- 非上場株式の評価額が一方的に低く提示されている
- 株主名簿や決算書類が開示されず、保有株式の状況を把握できない
- 相続した株式が種類株式や黄金株への変更により、権利内容が薄くなっている
- 増資や株式交換により、相続した株式の持株比率が低下した
- 持株会への組み込みや、少額での売却を要求されている
- 売渡請求権の行使を受け、相続した非上場株式を取り上げられそうになっている
これらのケースに共通するのは、相手方が情報や手続きを先に押さえてしまい、当事者を消耗させながら既成事実を積み上げる傾向があるという点です。早い段階で弁護士が関与することで、相手方の主張に対する法的な反論や、必要な資料の開示請求を進められます。
経営者・後継者側でお悩みのケース
一方で、会社を引き継いだ経営者の側にも、株式相続を起点とするトラブルが発生します。少数株主が複数の権利行使を組み合わせ、経営に圧力をかけてくるケースが代表例です。以下のようなお悩みをお持ちの方は、当事務所までお声がけください。
- 少数株主から不当な高値での買取請求を受けている
- 少数株主から会計帳簿閲覧請求や役員解任請求を起こされている
- 少数株主から株主代表訴訟や、役員の職務執行停止・職務代行者選任の仮処分を申し立てられている
- 少数株主が株主総会で議事妨害を行ったり、高額の配当を要求してきている
- 名義株主が権利を主張し、名義の返還に応じない
- 少数株主が株式買取業者に株式を売却し、業者から接触を受けている
これらのケースでは、株主総会・取締役会の運営、議事録の作成、株式の評価といった会社法上の手続きを正確に踏みつつ、相手方との交渉や訴訟への備えを並行して進める必要があります。当事務所は、M&A業務や少数株主排除を含む裁判訴訟業務において経験を重ねてまいりました。
非上場株式の相続が紛争化しやすい背景
非上場株式の相続が紛争化しやすいのは、上場株式や預貯金とは異なる構造的な事情があるためです。背景を理解しておくことで、ご自身の状況がどの段階にあり、何を準備すべきかが見えてきます。
取引市場がなく評価額が一義的に定まらない
非上場株式には、上場株式のような証券取引所での市場価格が存在しません。そのため、相続税評価額(類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式)、遺産分割における時価、買取交渉における提示価格など、場面ごとに異なる評価が並び立つことになります。
評価方法の選択や前提資料の取り方によって金額が大きく変動するため、相続人や株主の間で評価額を巡る対立が生じやすい構造となっています。会社の顧問税理士による評価が、常に全相続人にとって公平な内容になるとは限らない点にも注意が必要です。
譲渡制限により売却先が限定される
非上場株式の多くは、譲渡による取得について会社の承認を要する譲渡制限株式(会社法2条17号)です。株式会社は、株式の内容としてその旨を定款で定めることができます(会社法107条1項1号)。株主が自由に第三者へ売却することはできず、譲渡には会社の承認が必要となり、承認が得られない場合は会社または指定買取人による買取手続きへ進みます(会社法140条以下)。
このため、相続税の納税資金を確保したい、現金化したいといったご事情があっても、希望どおりに株式を処分できないケースが生じます。会社側との売買価格の交渉が決裂すれば、裁判所への売買価格決定の申立て(会社法144条)に進む場合もあります。
親族間の感情的対立が法的問題と絡み合う
中小企業では、株主や経営陣が親族関係にある会社も少なくありません。税法上の同族会社に該当するかは別途判定が必要ですが、長年の感情のもつれや、後継者と非後継者の間の不公平感が、法的な論点と絡み合って表面化する点が、非上場株式の相続の難しさです。
第三者である弁護士が代理人として入ることで、感情的な対立から距離を置き、法的な論点に焦点を当てた交渉を進めることが可能となります。
議決権の集中と相続税負担という二重の問題が生じる
非上場株式の相続では、議決権の所在をどう決めるかという経営権の問題と、相続税をどう負担するかという資金の問題が、同時に発生します。後継者に株式を集中させると相続税負担が一人に偏り、相続人間で分散させると経営権が不安定になります。
この二重の問題を解決するには、相続税法上の特例(事業承継税制など)、生命保険の活用、種類株式の発行、代償分割の活用など、複数の選択肢を組み合わせる検討が必要です。
株式の評価額や納税資金で課題を感じている方は、まずは当事務所までお問い合わせください。
当事務所が対応する株式相続争いの支援例
当事務所では、株式相続を巡るトラブルについて、相続人・少数株主の立場と、経営者・後継者の立場のいずれにも対応しております。立場ごとに代表的な支援例をご紹介いたします。
A. 相続人・少数株主の方への支援例
ご自身が遺産分割で不利な立場に置かれている、不公平な遺言書により権利が侵害されている、相続した株式について不当な要求を受けている、議決権が希薄化されているといったケースに対応いたします。
遺産分割協議が成立しない場合の対応
非上場株式が遺産の大部分を占めるケースでは、株式の評価額と分割方法を巡って遺産分割協議が長期化する傾向があります。当事務所では、評価方法の選択について法的観点から検討し、必要に応じて家庭裁判所での遺産分割調停・審判の申立てまで対応いたします。裁判所での手続きでは、必要に応じて専門家による株式評価が行われる場合があり、その評価への対応も含めて代理いたします。
遺留分侵害額請求への対応
不公平な遺言書により非上場株式が一人に集中している場合、ほかの相続人は遺留分侵害額請求(民法1046条)を行うことができます。この請求権は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年で時効により消滅します(民法1048条)。短い期間制限があるため、早期の対応が必要です。
遺留分の額を算定するには非上場株式の評価が前提となるため、評価方法を巡る交渉が長期化することがあります。当事務所では、遺留分の算定から交渉、訴訟までを一貫して代理いたします。
譲渡制限株式の売渡請求を受けた場合の対応
定款で「相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を会社に売り渡すことを請求することができる」旨を定めている会社は、相続発生後に売渡請求を行うことができます(会社法174条)。この売渡請求は、会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から1年以内に行使する必要があります(会社法176条1項)。
相続人にとっては、不利な価格で株式を手放さざるを得なくなる場合があります。当事務所では、買取価格の検証、会社との交渉、必要に応じて裁判所への売買価格決定の申立てまで一貫して代理いたします。
不当な低額買取打診への対抗
会社や経営者から、相続した株式について不当に低い価格での買取を打診されるケースがあります。株式評価の前提資料(直近3期分の決算書、株主名簿、定款、議事録など)を確認し、適切な評価方法に基づいた価格を主張することが必要です。
当事務所では、税理士・公認会計士と連携しつつ、交渉や裁判での主張を組み立ててまいります。情報が会社側に偏在しがちな場面でも、開示請求や調査を通じて交渉の前提を整えてまいります。
種類株式・株式交換・増資による議決権希薄化への対応
相続した株式が種類株式(議決権制限株式・黄金株など)に変更されている場合、増資や株式交換によって持株比率が希薄化している場合には、変更や手続きの適法性、株主としての権利行使の可否を法的に検討する必要があります。手続きに瑕疵があれば、決議の不存在確認・無効確認の訴え(会社法830条)、決議取消しの訴え(同831条)、新株発行差止請求(同210条)、株式交換無効の訴え(同828条1項11号。原則として効力発生日から6か月以内)などの法的手段が選択肢となります。
B. 経営者・後継者の方への支援例
少数株主からの権利行使に直面している、株主総会で議事妨害を受けている、株主名簿を巡るトラブルが発生している、株式集約や経営の安定化を進めたいといったケースに対応いたします。
少数株主からの権利行使への対応
少数株主は、保有割合や保有期間などの要件を満たす場合、会計帳簿閲覧請求権(会社法433条)、株主総会招集請求権(同297条)、役員解任の訴え(同854条)などを行使できます。また、株主代表訴訟(同847条)の提起が問題となることもあります。これらが組み合わせて行使された場合、経営者側は短期間で複数の法的対応を求められます。
不当に高額な買取請求を受けるケースや、株式買取業者からの接触を受けるケースも、このパターンに含まれます。当事務所では、株式評価の前提資料を整えつつ、交渉・訴訟・仮処分への対応を組み立ててまいります。
株主総会を巡る紛争への対応
株主総会の招集手続きの瑕疵、議決権行使の制限、特別利害関係人による議決権行使、株主提案権の行使など、株主総会を巡る紛争は多岐にわたります。決議の不存在確認・無効確認の訴え(会社法830条)、決議取消しの訴え(会社法831条)、株主総会決議差止めの仮処分など、状況に応じた法的手段を選択する必要があります。
株主名簿の名義書換を巡る対応
相続発生後、株主名簿の名義書換が行われないまま放置されたり、相手方が一方的に書き換えを行ったりするケースがあります。株主名簿の記載は、会社に対して株主としての権利を主張するための前提となるため(会社法130条1項)、書換を巡る争いは経営権そのものに直結します。
当事務所では、経営者として名義書換の適否を判断する場面、名義株主への対応が必要な場面のほか、相続人側からの名義書換請求の代理や株主としての地位確認訴訟までを取り扱っております。
株主間契約による経営の安定化
複数の相続人が株式を保有することになった場合や、後継者が株式を集約していく過程では、株主間契約を締結することで、議決権行使のルール、株式の譲渡・買取条件、配当方針などを事前に定めておくことができます。当事務所では、株主間契約の作成や見直しについてもご相談を承っております。
弁護士法人M&A総合法律事務所が選ばれる理由
当事務所は、M&Aおよび関連分野の紛争対応を中核として、株式相続を巡るご相談に対応してまいりました。一般的な相続案件とは異なる、会社法と相続法が交差する領域に対応できる体制が、当事務所の特徴です。
1.M&A・事業承継トラブル・相続トラブルを重点的に取り扱う
当事務所は、M&A業務、M&Aトラブル、事業承継トラブル、裁判訴訟紛争トラブル、相続トラブルを重点的に取り扱っております。とりわけ非上場株式が絡む遺産分割、少数株主排除、譲渡制限株式の売渡請求といった、会社法と相続法の双方が関係する案件への対応経験を有しております。
2.複雑かつ長期化する案件への対応経験
株式相続を巡るトラブルは、相続法・会社法・税法が交差し、交渉・訴訟・仮処分・株主総会対応など複数の手続きが同時並行で進む傾向があります。当事務所は、書面でのご助言にとどまらず、相手方との交渉、株主総会・取締役会の運営支援、訴訟・仮処分での代理活動まで、現場での粘り強い対応を中核領域として位置づけてまいりました。長期化する紛争にも継続して取り組んでおります。
3.代表弁護士による関連書籍の発信
代表弁護士の土屋勝裕は、非上場株式の売却・処分や少数株主問題、事業承継M&Aに関連する分野について書籍を執筆しております。書籍の執筆にあたっては、判例の分析と案件対応経験の言語化を行っており、その内容を相談業務にも反映しております。
4.税理士・公認会計士との連携体制
非上場株式の相続では、株式評価が論点の中心となるため、税務・会計の知見が不可欠です。当事務所では、必要に応じて税理士・公認会計士等と連携しながら、評価額の算定や課税関係の確認を行いつつ、法的な交渉・対応を進めております。
弁護士に依頼することで得られること
株式相続のトラブルに弁護士が関与することで、ご相談者にどのような変化が生まれるのか、当事務所の対応を踏まえてご説明いたします。
第三者として冷静に交渉を進められる
親族間の紛争では、感情的な対立が法的な論点を覆い隠してしまうことがあります。弁護士が代理人として入ることで、ご相談者ご本人が直接相手方と対峙する負担を軽減でき、法的な論点に絞った交渉が可能となります。
株式評価額の専門的な検証ができる
非上場株式の評価額は、評価方法の選択、前提資料の精度、株主構成によって大きく変動します。当事務所では、税理士・公認会計士と連携しながら、相手方が提示する評価額の妥当性を検証いたします。
裁判・訴訟・仮処分への対応で交渉力を確保できる
交渉が決裂した場合や、相手方が法的手続きに踏み切った場合には、訴訟や仮処分への対応が必要となります。訴訟への移行も視野に入れて交渉に臨むことで、交渉段階での解決可能性が広がります。
精神的・時間的負担を軽減できる
相続を巡る紛争は、相続人の方にとって精神的にも時間的にも大きな負担となります。資料の確認、相手方との連絡、書面の作成、裁判所への出頭といった作業を弁護士に委ねることで、ご相談者ご本人の精神的・時間的負担の軽減につながります。
当事務所の弁護士のご紹介
当事務所では、代表弁護士が中心となって、株式相続を巡るご相談に対応しております。
代表弁護士 土屋勝裕
弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士。東京弁護士会所属。M&A業務(M&Aアドバイザリー業務・M&A仲介業務・M&A法務)に加え、M&A相続事業承継業務(相続・事業承継)、M&A企業再建業務(破産・民事再生・私的整理)、M&A裁判業務(裁判・訴訟・紛争業務)など、企業法務全般にわたって対応しております。
関連著書のご紹介
代表弁護士は、株式・事業承継・少数株主に関する分野で複数の書籍を執筆しております。判例の検討と案件対応の経験を踏まえた内容として、ご相談者の方への対応にも反映しております。詳細は当事務所サイトの「事務所案内」内の執筆情報などをご覧ください。
ご相談から解決までの流れ
当事務所では、ご相談からご契約、案件対応までを以下のステップで進めております。
STEP1 お問い合わせ
お電話、お問い合わせフォーム、または各種オンライン手段にて、ご相談のご希望をお寄せください。受付時間は8:00〜24:00、土日祝日にも対応しております。
STEP2 相談日時の確定
ご相談者の方と当事務所の弁護士のスケジュールを調整し、ご相談日時をご連絡いたします。来所相談・お電話相談・オンライン相談のいずれにも対応しております。
STEP3 ご相談当日
事前にご用意いただいた資料を拝見しながら、ご相談内容を詳しくお伺いいたします。ご相談内容を踏まえ、想定される対応方針や見通しもこの場でお伝えいたします。来所相談のほか、Zoom・Teamsなどによるオンライン相談、お電話によるご相談にも対応しております。
STEP4 ご契約・案件対応
ご相談者の方のご希望に基づき、ご契約のうえで案件対応を開始いたします。事件処理の進捗は、適宜ご報告し、必要な意思決定をご相談者の方にお諮りしながら進めます。
株式相続に関するよくあるご質問
ご相談者の方から多くいただくお問い合わせを掲載いたします。個別のご事情によって判断が分かれる点もあるため、詳細はご相談時にお伺いいたします。
Q. 親族が非上場株式を独占する前提で遺産分割協議を進めようとしていますが、止められますか?
遺産分割協議は、相続人全員の合意が成立しない限り効力を生じません。一部の相続人が独占を前提に協議を進めていたとしても、ほかの相続人がこれに合意しなければ、その内容は確定しないため、まずは合意しない旨を明確に伝えることが必要です。
協議が成立しない場合は、家庭裁判所での遺産分割調停・審判に進みます。当事務所では、調停・審判の代理から、必要に応じて株主としての地位確認訴訟までを一貫して対応いたします。
Q. 不公平な遺言書により非上場株式が一人に集中している場合、対応できますか?
遺留分(兄弟姉妹以外の一定の相続人に法律上保障される最低限の取り分)が侵害されている場合、遺留分侵害額請求(民法1046条)を行うことができます。この請求権は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年で時効により消滅します(民法1048条)。
遺留分の額を算定するには非上場株式の評価が必要となるため、早期に弁護士へご相談されることをお勧めいたします。
Q. 相続発生後に株主名簿を書き換えられ、自分が筆頭株主と主張されています。訴訟は可能ですか?
株主名簿の記載は、会社に対して株主としての権利を主張するための要件ではあるものの、株主としての地位そのものを確定するものではありません。実体上の権利関係と株主名簿の記載が異なる場合には、株主としての地位確認訴訟、株主名簿の記載抹消請求、株主名簿の記載をもとに行われた決議の取消し・無効確認の訴え(会社法830条・831条)などの法的手段が選択肢となります。
Q. 譲渡制限株式の売渡請求を受けた場合、どう対応すべきですか?
定款に基づく売渡請求(会社法174条)を受けた場合、買取価格を巡る交渉が中心となります。当事者間で価格の合意ができない場合は、会社から売渡請求を受けた日から20日以内に、裁判所への売買価格決定の申立てを行う必要があります(同177条2項)。
提示された価格が会社の純資産や収益力に照らして適切かを検証することが重要となるため、税理士・公認会計士と連携した対応が望まれます。
Q. 株式の相続税が払えない場合の対応方法はありますか?
相続税の納税資金が不足する場合、要件を満たす場合の延納・物納の利用、相続税の取得費加算の特例の活用、相続等により取得した非上場株式を発行会社へ譲渡する場合のみなし配当課税の特例、事業承継税制(中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を前提とする納税猶予・免除制度)などの選択肢があります。
いずれの制度にも適用要件・期限・届出の有無などの違いがあるため、税理士と連携して個別のご事情に即した検討が必要です。
Q. 弁護士費用はどのくらいかかりますか?
弁護士費用は、ご相談の内容・案件の規模・対応する手続きの段階によって異なります。ご相談時に、想定される対応の範囲をお示ししたうえで、費用についてもご説明いたします。ご契約前にご納得いただけるよう対応してまいります。
Q. 遠方からの相談にも対応していますか?
遠方等で来所が難しい場合は、お電話やオンライン会議システム(Zoom・Microsoft Teams等)によるご相談を承っております。資料のやり取りも電子データで対応可能なため、所在地にかかわらずご相談いただけます。
株式相続の基礎知識
ここからは、株式相続をご検討中の方が知っておくべき基本的な仕組みについてご説明いたします。ご自身の状況がどの段階にあるかを把握する一助としてご活用ください。
株式の相続とは(上場株式と非上場株式の違い)
株式の相続とは、被相続人(亡くなった方)が保有していた株式を、相続人が承継することをいいます。株式は財産的価値だけでなく、株主総会での議決権など会社内の権利を伴うため、預貯金や不動産とは異なる注意点があります。
上場株式と非上場株式とでは、評価方法と手続きが大きく異なります。
| 項目 | 上場株式 | 非上場株式 |
|---|---|---|
| 市場価格 | あり(証券取引所) | なし |
| 評価方法 | 終値等を基準に算定 | 類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式 |
| 名義書換 | 証券会社経由 | 発行会社または株主名簿管理人に直接請求 |
| 売却の容易さ | 容易 | 譲渡制限により制約 |
上場株式は市場価格が明確で売却も容易ですが、非上場株式は価格の算定自体に専門的な検討が必要となり、売却先も限定されます。
株式の遺産分割方法(現物分割・代償分割・換価分割)
株式の遺産分割には、主に三つの方法があります。それぞれに利点と難点があるため、株式の銘柄・株数・相続人の状況に応じて選択することになります。
| 分割方法 | 詳細 |
|---|---|
| 現物分割 | 株式そのものを各相続人に分配する方法。議決権の分散により経営権が不安定になる場合があります。 |
| 代償分割 | 一人の相続人が株式を取得し、ほかの相続人に金銭で補償する方法。後継者に株式を集中させたい場合に用いられます。 |
| 換価分割 | 株式を売却し、得た代金を相続人で分配する方法。非上場株式の場合は売却先が限定されるため、適用に制約があります。 |
非上場株式では、議決権の所在が会社の経営に直結するため、現物分割ではなく代償分割が検討されることがあります。
非上場株式の評価方法(類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式)
非上場株式の評価方法は、株主の立場や会社の規模によって異なります。相続税申告における評価方法と、遺産分割における時価評価とでは、用いられる手法も異なる点に注意が必要です。
| 評価方法 | 詳細 |
|---|---|
| 類似業種比準方式 | 同業種の上場会社の株価を基準に、配当・利益・純資産の三要素を比較して評価する方法。 |
| 純資産価額方式 | 会社の資産から負債を差し引いた純資産を株式数で除して評価する方法。 |
| 配当還元方式 | 配当金額を基準に評価する方法。相続税評価では、同族株主以外の株主等が取得した株式など、一定の場合に用いられる特例的な評価方式です。 |
原則的評価方式では、大会社は原則として類似業種比準方式、小会社は原則として純資産価額方式、中会社は類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により評価されます。評価方法の選択により金額が大きく変動するため、評価の前提となる資料の精査が重要となります。
株式の相続税と納税資金の確保
相続税は、被相続人が死亡したことを知った日(通常は死亡日)の翌日から10か月以内に申告・納付する必要があります(相続税法27条1項)。非上場株式の場合、評価額が大きい一方で換金が難しく、納税資金の確保が課題となるケースが多く見られます。
納税資金の確保方法としては、要件を満たす場合の延納・物納の利用、相続税の取得費加算の特例の活用、生命保険の活用、事業承継税制(中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を前提とする納税猶予・免除制度)の利用などがあります。事業承継税制の特例措置には特例承継計画の提出期限や認定要件があるため、税理士と連携して個別のご事情に即した検討が必要です。
譲渡制限株式と相続発生後の売渡請求(会社法174条)
定款に「相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を会社に売り渡すことを請求することができる」旨を定めている会社では、相続発生後に会社が売渡請求を行うことができます(会社法174条)。
売渡請求の主な手続きは以下のとおりです。
| 手続段階 | 内容 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 株主総会決議 | 売渡請求には特別決議が必要 | 会社法175条 |
| 相手方への請求 | 会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から1年以内 | 会社法176条1項 |
| 価格の協議 | 会社と相続人で協議 | 会社法177条1項 |
| 売買価格決定の申立て | 会社の売渡請求があった日から20日以内に、裁判所へ申立て | 会社法177条2項 |
売渡請求の場面では、価格の交渉が中心となります。会社側にとっては経営権の防衛手段ですが、相続人側にとっては不利な価格での売却を迫られるリスクとなる点に留意が必要です。
株主名簿の名義書換手続き(会社法133条)
相続により株式を取得した相続人は、会社に対して株主名簿の名義書換を請求することができます(会社法133条)。譲渡制限株式であっても、相続による取得は会社の承認を要しないため(同134条但書)、相続人は会社の承認を経ずに名義書換を求められます。
名義書換には、被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍、相続人の戸籍謄本、遺産分割協議書または遺言書、印鑑証明書などの提出が一般的に求められます。発行会社または株主名簿管理人の指示に従って手続きを進めることとなります。
株式の相続放棄を選択する場合の注意点
非上場株式を相続したくない場合、相続放棄(民法915条)を選択することが可能です。ただし、相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も含めて一切相続しないという強い効果を持つため、ほかの遺産との関係も含めて検討する必要があります。
相続放棄の手続きは、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書を提出することによって行います。期限を過ぎると原則として相続放棄ができなくなるため、早期の判断が求められます。
株式の相続でお悩みなら当事務所にご相談ください
非上場株式(会社株式)の相続を巡るトラブルは、評価額・議決権・相続税・譲渡制限といった複数の論点が同時に絡む難易度の高い領域です。当事務所では、M&A・事業承継トラブル・相続トラブルを中核領域として、複雑な案件にも対応してまいりました。お一人で抱え込まず、お早めにご相談ください。
当事務所の特徴
- M&A・事業承継トラブル・相続トラブルを中核領域として取り扱う
- 株式相続を巡る複雑な案件への対応経験
- 代表弁護士による関連書籍の発信
- 税理士・公認会計士との連携体制
- 来所・電話・オンライン相談に対応
受付時間・連絡手段
- 受付時間:8:00〜24:00(土日祝を含む)
- お問い合わせフォーム/お電話/オンライン相談に対応
事務所所在地
〒105-6017 東京都港区虎ノ門4丁目3-1 城山トラストタワー17階
ご相談者の方の情報については秘密を厳守いたします。ご相談は事前予約制ですので、まずはお問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡ください。

