ご家族が長年大切に育ててきた会社を引き継ぐ際、思いがけず直面するのが相続の問題です。近年、会社を経営されていた親御様がお亡くなりになり、ご兄弟間で遺産分割協議を行うにあたって、思わぬ争いに発展してしまうケースが急増しています。特に2026年現在の最新の傾向として、非上場株式の取り扱いをめぐる相続トラブルが後を絶ちません。
現金や預貯金とは異なり、市場に出回っていない非上場株式は、客観的な評価額を算出することが非常に困難です。そのため、後継者として会社を継ぐ方と、会社経営に関わらない他のご兄弟との間で株式の価値に対する認識のズレが生じやすく、これまで仲の良かったご家族の絆が損なわれてしまうことも少なくありません。
本記事では、なぜ今ご兄弟間で非上場株式をめぐる争いが激増しているのかという背景から、適正な株式評価の難しさ、そして実際の紛争事例から学ぶ円満な遺産分割の秘訣までを詳しく解説いたします。さらに、税務の専門家だけでなく、法律や交渉の専門家である弁護士に非上場株式の評価や相続手続きをご相談いただく最大のメリットについても分かりやすくお伝えします。
大切なご家族の財産と絆を守り、複雑な株式の相続手続きをスムーズに進め、ご兄弟全員が心から納得できる解決へと導くための有益な情報として、ぜひ最後までご一読ください。
1. なぜ今、兄弟間で非上場株式をめぐる相続トラブルが急増しているのでしょうか
親が経営していた会社を兄弟の誰かが引き継ぐ際、遺産の大半が自社株である「非上場株式」というケースが非常に多く見受けられます。上場企業の株式と異なり、非上場株式には明確な市場価格が存在しません。そのため、株価の評価方法をめぐって兄弟間で激しい対立が生じる事態が急増しています。
会社を引き継ぐ後継者は、相続税の負担や他の兄弟へ支払う代償金の額を抑えるために、非上場株式の評価額をできるだけ低く算出したいと考えます。一方で、経営に関与しない他の兄弟たちは、自身の相続分や遺留分としてより多くの財産を受け取るために、株式の評価額を高く見積もりたいと主張します。このように、非上場株式の相続においては兄弟間で明確な利益相反が起こるため、感情的な対立へと発展しやすい構造があります。
さらに、会社の純資産や過去の利益、類似業種との比較など、非上場株式の適正な評価には極めて複雑な計算と専門的な知識が求められます。税理士が算出する相続税申告のための評価額と、遺産分割や遺留分侵害額請求において裁判所が基準とする法的な評価額が異なるケースも多々あり、これがトラブルをより一層複雑化させる大きな要因となっています。
当事者同士の話し合いだけでは平行線をたどるばかりか、会社の経営そのものに悪影響を及ぼす危険性すらあります。客観的かつ法的に妥当な株式評価を行い、泥沼の相続争いを防ぐためには、早い段階で法律と交渉の専門家である弁護士に介入を依頼することが、早期解決への最も確実な道筋となります。
2. ご家族の絆を守るために知っておきたい、非上場株式の適正な評価額を算出する難しさ
親族が経営する会社の株式を引き継ぐ際、多くの方が直面するのが「非上場株式の評価」という非常に複雑な問題です。トヨタ自動車やソニーグループといった上場企業の株式であれば、証券取引所を通じて日々の株価が公開されているため、誰が見てもその客観的な価値は一目瞭然です。しかし、世の中の企業の大多数を占める非上場企業の場合、明確な市場価格が存在しないため、適正な評価額を算出することは極めて困難となります。
非上場株式の評価には、会社の規模や資産状況に応じて「純資産価額方式」や「類似業種比準方式」、「配当還元方式」といった専門的な計算手法を複雑に組み合わせて用いる必要があります。会社が保有する不動産の価値、過去の利益水準、将来の事業見通しなど、考慮すべき要素は多岐にわたり、専門家であっても評価する立場によって見解が大きく分かれることが珍しくありません。
この算出の難しさが、兄弟間での深刻な相続トラブルを引き起こす最大の要因となっています。例えば、会社を後継者として引き継ぐ経営陣側のご家族は、相続税の負担や他の兄弟への代償金の支払いを抑えるために、株式の評価額を可能な限り低く見積もりたいと考えます。一方で、経営に関与せず現金での遺産分割を希望するご家族にとっては、自身の正当な権利を守り取り分を確保するために、株式の評価額を高く算出したいという心理が働きます。このように、それぞれの立場によって求める評価額が真逆になるため、当事者同士の話し合いだけで合意に至ることは至難の業です。
評価額の根拠が曖昧なまま議論を進めてしまうと、相手に対する不信感や疑心暗鬼を生み、最悪の場合、裁判にまで発展する骨肉の争いとなってしまいます。長い年月をかけて育まれてきたご家族の絆が、株式の評価という金銭的な問題によって修復不可能に引き裂かれることは、何としても避けなければなりません。
ご家族の大切な絆を守り、公平かつ円満な遺産分割を実現するためには、誰の目から見ても客観的で納得性の高い「適正な評価額」を導き出すことが不可欠です。法的な根拠に基づき、複雑な計算や過去の判例を熟知した上で、論理的な主張を展開できる弁護士が介入することで、感情的な対立を未然に防ぎ、すべての相続人が納得できる解決の糸口を見出すことが可能となります。
3. 税理士だけでなく、法律の専門家である弁護士に株式評価をご相談いただく最大のメリット
非上場株式の相続が発生した際、多くの方が真っ先に税理士への相談を思い浮かべるかもしれません。確かに、相続税の申告や税務上の評価額を算出するうえで、税理士の力は不可欠です。しかし、兄弟間で遺産分割をめぐる意見の対立が起きている場合や、将来的にトラブルに発展するリスクが潜んでいる場合には、法律の専門家である弁護士に株式評価をご相談いただくことが非常に重要となります。
税理士が行う非上場株式の評価は、主に国税庁の財産評価基本通達に基づいた「税務署へ申告するための評価」です。一方で、兄弟間の遺産分割協議において基準となるべきは「客観的な交換価値(時価)」であり、税務上の評価額と遺産分割における評価額は必ずしも一致しません。ここが、非上場株式の相続において兄弟間の激しい対立を生む最大の原因となります。例えば、会社を引き継ぐ後継者である兄弟は評価額をできるだけ低く見積もりたいと考えるのに対し、会社を引き継がない他の兄弟は、自身の遺産取得分を増やすために評価額を高く主張するといった利害の対立が容易に発生します。
弁護士に株式評価をご相談いただく最大のメリットは、単なる数字の計算にとどまらず、「法的な紛争解決を見据えた適正な評価と代理交渉」が可能になる点にあります。弁護士は、過去の裁判例や法的な根拠に基づき、ご相談者様にとって最も説得力のある株式の評価方法を選択し、相手方に対して法的な裏付けをもった主張を展開します。純資産価額方式や類似業種比準方式、配当還元方式など、複雑な評価手法の中から事案に最適なものを導き出し、相手方の不当な主張に対しては的確に反論を行います。
さらに、当事者同士の話し合いでは感情的になりがちな兄弟間の交渉も、弁護士が代理人として間に入ることで、冷静かつ論理的に進めることができます。万が一、遺産分割協議がまとまらずに家庭裁判所での調停や審判に発展した場合でも、弁護士であれば最初から一貫して法的手続きの代理を務めることが可能です。必要に応じて公認会計士や税理士などの専門家と連携して税務面のリスクを回避しつつ、預貯金や不動産といった他の相続財産全体とのバランスを見極めながら、最終的な紛争解決までトータルでサポートできることこそが、弁護士を介入させる最大の強みと言えます。
4. 実際の紛争事例から学ぶ、相続発生前に準備しておきたい円満な遺産分割の秘訣
非上場株式が相続財産に含まれる場合、経営を引き継ぐ後継者と、経営に関与しない他の相続人との間で意見が鋭く対立するケースが後を絶ちません。ここでは、よくある紛争のパターンを参考にしながら、将来のトラブルを未然に防ぎ、円満な遺産分割を実現するための具体的な準備について解説いたします。
地方で製造業を営む企業の創業者に相続が発生した事例を考えてみましょう。相続人は、すでに自社で専務として経営を実質的に取り仕切っている長男と、別の企業で会社員として働いている次男の二人です。主な相続財産は、実家の土地建物と、創業者が保有していた多額の自社株式でした。
長男は、今後の安定した会社経営のためにすべての自社株式を相続したいと考えました。一方で次男は、株式を取得する意思はないものの、自身の法定相続分に見合う現金を代償金として長男に求めました。このとき最大の争点となったのが、非上場株式の評価額です。
次男は純資産価額方式などをベースに株式を高く評価し、より多くの現金を要求しました。反対に長男は、会社の業績変動リスクや配当実績を根拠に、類似業種比準方式などを主張して株価を低く見積もろうとしました。このように、非上場株式の評価方法に関する見解の相違が原因で遺産分割協議は長期化し、最終的には裁判所での調停や審判にまで発展してしまうケースが非常に多いのです。
このような悲惨な兄弟間の紛争を防ぐためには、相続が発生する前の生前の準備が極めて重要となります。
第一の秘訣は、生前からの適切な株価対策と計画的な株式移転です。創業者が元気なうちから、企業法務や相続に精通した弁護士、顧問税理士と連携し、自社株の現状の評価額を正確に把握しておく必要があります。そのうえで、生前贈与などを活用して後継者へ少しずつ株式を移転していくことが有効です。
第二の秘訣は、遺留分に配慮した遺言書の作成です。単に長男にすべての株式を相続させると記載するだけでは、次男から遺留分侵害額請求を起こされるリスクが残ります。遺言書を作成する際は、次男が納得できるような現預金や生命保険金を別途準備しておくなど、他の相続人の権利に十分配慮した内容にすることが不可欠です。また、経営権を確保しつつ経済的利益を調整する手段として、議決権制限株式などの種類株式を活用することも有効な選択肢となります。
第三の秘訣は、早期に法律の専門家を関与させることです。非上場株式の評価は極めて専門性が高く、税務面だけでなく法務面からの多角的なアプローチが求められます。弁護士は、将来起こり得る法的なトラブルを予測し、親族間の感情的な対立を和らげながら、客観的かつ公平な視点で生前対策をサポートします。
会社という大切な事業基盤と、かけがえのない家族の絆を守るためにも、相続の発生を待つのではなく、平時から弁護士をはじめとする専門家の知見を借り、円満な承継に向けた準備をスタートさせておくことが何よりの秘訣です。
5. 複雑な株式の相続手続きをスムーズに進め、ご兄弟全員が納得できる解決へと導く弁護士の活用法
非上場株式の相続は、現金や不動産の分割とは比較にならないほど複雑であり、兄弟間での遺産分割協議が難航する最大の原因となります。市場価格が存在しない非上場株式は、評価額の算定方法を巡って「少しでも高く評価して多くの代償金を得たい」という会社を引き継がないご兄弟と、「できるだけ低く評価して会社の資金繰りや自身の支払負担を抑えたい」という会社を引き継ぐ後継者の間で、意見が真っ向から対立しがちです。
このような複雑な株式の相続手続きをスムーズに進め、ご兄弟全員が納得できる解決へと導くためには、相続問題と企業法務の双方に精通した弁護士の活用が不可欠です。
第一に、弁護士を介入させることで、法的に適正かつ客観的な株式評価が可能になります。弁護士は必要に応じて公認会計士や税理士といった専門家と強固に連携し、類似業種比準方式や純資産価額方式などの専門的な算定方法を用いて、誰もが納得せざるを得ない明確な根拠のある評価額を提示します。客観的な数値が示されることで、評価額を巡る無用な言い争いを未然に防ぐことができます。
第二に、感情的な対立の緩和と冷静な交渉が期待できる点です。幼い頃からの関係性があるご兄弟同士では、過去の出来事なども相まって一度感情的なしこりができると、当事者同士での話し合いは平行線をたどってしまいます。そこで、第三者である弁護士が代理人として交渉の窓口になることで直接の衝突を避け、あくまで法律と客観的証拠に基づいた建設的な協議を進めることが可能となります。
第三に、複雑な法的手続きの迅速で正確な処理です。非上場株式の相続では、単なる株式の名義変更にとどまらず、会社法に基づく株式の譲渡制限の確認や、会社に対する株式売渡請求、あるいは代償分割に向けた資金調達のスキーム策定など、高度な法的知識が求められる手続きが山積しています。これらの煩雑な手続きを弁護士が一括して代行することで、相続人の方々の時間的、精神的な負担は劇的に軽減されます。
企業の存続という重い責任と、ご兄弟間の公平な財産分与という二つの課題を同時に解決するためには、専門知識と豊富な交渉経験を持つ弁護士の存在が大きな鍵を握ります。複雑な事情が絡み合う非上場株式の相続において、早期に弁護士に相談し適切なサポートを受けることこそが、大切な家族の絆を守り、円満な解決を実現するための最善の選択と言えます。






























