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株式評価額の算定で大誤算?相続税申告前に確認したい重要ポイント

親御様から受け継いだ大切な財産の中に、株式が含まれているという方は多いのではないでしょうか。預貯金であれば残高証明書の金額がそのまま評価額となりますが、株式の場合、その「価値」をいくらとして相続税を計算すればよいのか、一筋縄ではいかないのが現実です。

実は、相続税申告の実務において計算ミスが起きやすく、税務調査でも指摘されやすい項目の一つが、この「株式評価額の算定」です。「現在の株価を調べればよいだけでは?」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、評価基準となる時期の選び方や、上場しているか否かによって、その計算方法は驚くほど複雑に分岐します。

もし誤った評価額で申告をしてしまうと、本来払う必要のない高額な税金を納めてしまったり、計算間違いによる過少申告として後から追徴課税を科されたりするリスクがあります。特に非上場株式の場合、その評価額は会社の規模や資産状況によって大きく変動するため、専門的な知識が不可欠です。

そこで本記事では、相続税申告を控えている方に向けて、上場株式と非上場株式それぞれの評価方法の違いや、陥りやすいミスの事例、そして税額を適正に抑えるために知っておくべき特例などの重要ポイントをわかりやすく解説します。遺産分割や納税資金の準備で後悔しないために、ぜひ申告前の確認にお役立てください。

1. 上場株式と非上場株式でこんなに違う!相続税評価における意外な落とし穴

相続財産を調査する際、預貯金や不動産と並んで重要度が高いのが「株式」です。しかし、株式の相続税評価は単純な時価計算だけで完結するものではありません。特に、証券取引所で売買される「上場株式」と、市場取引のない「非上場株式」では、評価のアプローチが根本的に異なるため、ここを混同すると納税額に大きな誤差が生じる可能性があります。

まず上場株式についてですが、多くの人は「亡くなった日の株価」で計算すればよいと考えがちです。確かにその日の終値も基準の一つですが、国税庁のルールでは納税者に有利になるよう、4つの価格の中から「最も低い価額」を選んで評価額とすることが認められています。具体的には、「相続開始日の終値」「相続開始月の毎日の終値の平均額」「前月の毎日の終値の平均額」「前々月の毎日の終値の平均額」の4つです。相場が乱高下している時期に相続が発生した場合でも、過去数ヶ月の平均値を用いることで、一時的な高騰による過大な税負担を回避できる仕組みになっています。

一方で、より複雑で「落とし穴」になりやすいのが非上場株式の評価です。オーナー経営の中小企業などの株式には市場価格が存在しません。そのため、その会社の規模や従業員数、売上高、資産内容などに応じて、「類似業種比準方式」や「純資産価額方式」といった専門的な計算式を用いて理論上の株価を算出する必要があります。

ここで注意すべきは、株式を受け取る人が会社の経営権を持つ同族株主か、それ以外の少数株主かによっても評価方法が劇的に変わるという点です。経営権を持たない株主が取得する場合は「配当還元方式」という特例的な評価方法が適用され、評価額が大幅に低くなるケースが一般的です。しかし、この区分判定を誤って原則的な評価方法で申告してしまうと、本来払う必要のない多額の相続税を納めることになりかねません。上場株式のような明確な相場がない分、非上場株式の評価は専門的な知識と慎重な判断が求められる領域なのです。

2. 知らずに申告すると追徴課税も?株式評価額の算定で陥りやすいミスと対策

相続財産の中でも、特に評価が複雑で税務調査の対象になりやすいのが「株式」です。現金や預金と異なり、株式には「額面」と「相続税評価額」に大きな乖離が生じるケースが多々あります。もし誤った評価額で申告してしまうと、後から税務署より指摘を受け、過少申告加算税や延滞税といったペナルティ(追徴課税)を課されるリスクが高まります。ここでは、上場株式と非上場株式それぞれにおいて、申告時に陥りやすいミスと、それを回避するための具体的な対策について解説します。

まず、証券取引所で売買されている「上場株式」の評価についてです。多くの人が「亡くなった日の終値」だけで評価しがちですが、これは必ずしも最善の方法ではありません。相続税法では、以下の4つの価格のうち、最も低い価額を選んで評価することが認められています。

1. 課税時期(相続開始日)の終値
2. 課税時期の属する月の毎日の終値の平均額
3. 課税時期の属する月の前月の毎日の終値の平均額
4. 課税時期の属する月の前々月の毎日の終値の平均額

市場相場が急落している局面や、逆に高騰している局面では、どの時点の平均額を採用するかによって評価額が大きく変動し、納税額に数百万円の差が出ることも珍しくありません。すべてのパターンを計算し、最も有利な価額を選択しなかったことで、無駄に高い税金を払ってしまうミスが散見されます。

次に、さらに難易度が高いのが「非上場株式(取引相場のない株式)」の評価です。オーナー経営者やその親族が亡くなった場合、自社株の評価が必要になりますが、ここでの計算ミスは税務調査で最も厳しくチェックされるポイントの一つです。

非上場株式の評価で頻発するミスは、評価方式の選定誤りです。非上場株式の評価は、会社規模(大会社・中会社・小会社)や、株主が同族株主か否かによって、「類似業種比準方式」「純資産価額方式」「配当還元方式」を使い分ける必要があります。例えば、会社の支配権を持たない少数株主であるにもかかわらず、原則的評価方式である純資産価額方式で高く評価してしまったり、逆に経営権を持つ同族株主が特例的評価方式である配当還元方式を使って不当に低く申告してしまったりするケースです。特に、会社規模の判定を誤ると、適用すべき計算式が根底から変わるため致命的です。

また、意外と見落とされがちなのが「名義株」の問題です。株主名簿上の名義は子供や孫になっていても、実質的に被相続人(故人)が出資し、配当金も被相続人が管理していたような株式は、相続財産として計上しなければなりません。これを「名義が違うから関係ない」と判断して申告から除外すると、税務調査で申告漏れとして指摘され、重加算税の対象になる可能性があります。

こうしたミスを防ぐための対策は、申告期限ギリギリになってから慌てて計算を始めないことです。特に非上場株式の評価には、会社の決算書や法人税申告書、保有する土地や建物の詳細な資料が必要となり、正確な算定には膨大な時間がかかります。

対策としては、生前のうちから自社株の仮評価を行っておくこと、そして相続税申告の実績が豊富な税理士に依頼することが重要です。一般的な税理士であっても、複雑な非上場株式の評価に精通しているとは限りません。セカンドオピニオンを利用するなどして、複数の専門家の視点を入れることも、リスク回避の有効な手段となります。適正な評価を行うことは、無駄な税金の流出を防ぐだけでなく、将来的な事業承継をスムーズに行うための第一歩でもあります。

3. 相続税を払い過ぎないために!申告前に必ずチェックすべき特例と評価減のポイント

相続財産の中でも、現金や不動産と異なり、評価額の算出が極めて複雑なのが「株式」です。特に、上場していない非上場株式(自社株)が含まれる場合、その評価方法の選択ひとつで相続税額が数百万円から数千万円単位で変わることも珍しくありません。申告書を提出してしまう前に、過大な税金を支払うリスクを回避するための重要ポイントを確認しましょう。

まず最初に見直すべきは、会社の規模判定と評価方式の選択です。非上場株式の評価には、上場企業の株価を参考にする「類似業種比準方式」と、会社の資産価値に基づく「純資産価額方式」があります。一般的に、利益が出ている会社では類似業種比準方式の方が評価額を低く抑えられる傾向にあります。しかし、この方式をどれだけ使えるかは、会社が「大会社」「中会社」「小会社」のどの区分に該当するかによって制限されます。従業員数や取引金額、総資産価額などの判定基準を詳細に確認し、より有利な区分に該当する可能性がないか、あるいは併用方式の選択が最適化されているかを再考することは必須です。

次に、株式を取得する人が「同族株主」か「それ以外の株主」かという点も重要です。経営権を持たない少数株主が株式を相続する場合、原則的評価方式ではなく、配当金額を基にした「配当還元方式」という特例的な評価方法を採用できる可能性があります。配当還元方式は、原則的評価に比べて株価が大幅に低くなるケースが多いため、適用要件を満たしているかどうかの判定は節税の大きなカギとなります。株主構成図を正確に読み解き、誰が取得すれば税負担を最小限に抑えられるかを検討する余地があります。

また、純資産価額方式を採用する場合における「法人税等相当額の控除(37%控除)」の適用漏れにも注意が必要です。会社が解散したと仮定した場合の価値を算出する際、含み益に対する法人税等の額を資産価値からマイナスできる計算上のルールです。土地や有価証券に多額の含み益がある会社の場合、この控除を正しく計算に含めることで評価額を圧縮できます。

さらに、特定の資産構成割合が高い会社(株式保有特定会社や土地保有特定会社)に該当してしまっていないかの確認も欠かせません。これらに該当すると、評価額が高くなりやすい純資産価額方式での評価を強制される場合があります。資産の区分けや評価の見直しによってこれらの特定会社判定から外れることができれば、類似業種比準方式を活用した評価減への道が開けることもあります。

株式の評価は、税理士によっても判断が分かれるほど高度な専門分野です。申告期限が迫っている場合でも、提示された評価額を鵜呑みにせず、これらの減額要因が十分に検討されているかを確認することが、大切な資産を守ることに繋がります。

4. 株価の変動だけで決まらない?遺産分割協議前に知っておきたい評価額の決まり方

相続財産の中に上場企業の株式が含まれている場合、その価値をどのように計算するか正しく理解しているでしょうか。多くの人が「亡くなった日の株式市場の終値」だけで評価額が決まると勘違いしており、これが後に大きな誤算を生む原因となっています。実は、上場株式の相続税評価においては、納税者の負担を考慮し、最も有利な(低い)価額を選択できるルールが存在します。

具体的には、以下の4つの価額の中から最も低いものを評価額として採用することができます。

1. 相続開始日(被相続人が亡くなった日)の最終価格
2. 相続開始月の毎日の最終価格の平均額
3. 相続開始月の前月の毎日の最終価格の平均額
4. 相続開始月の前々月の毎日の最終価格の平均額

たとえば、被相続人が亡くなった日にたまたま株価が急騰していたとしても、前月や前々月の平均株価が低ければ、そちらを採用することで相続税評価額を抑えることが可能です。相場は日々変動するため、この「4つの選択肢」を知っているかどうかで、課税対象となる金額に数百万単位の差が生じることも珍しくありません。特にアベノミクス以降のような相場変動が激しい局面を経ている場合、単日の株価だけで判断するのはリスクが高いと言えます。

しかし、ここでさらに注意が必要なのが「遺産分割協議」における評価です。相続税の申告で使う「相続税評価額」はあくまで税金を計算するための基準であり、遺産を兄弟などで分ける際に使う「時価」とは必ずしも一致しません。

遺産分割協議では、一般的に「分割時の時価(現在の株価)」を基準に話し合いが行われます。もし相続税評価額(過去の低い価額)を基準に遺産分けをしてしまうと、株を受け取った相続人が実質的に多くの利益を得てしまい、他の相続人から不満が出る可能性があります。逆に、相続税評価額が高く算出されたとしても、遺産分割時には株価が暴落しているケースもあり得ます。

このように、株式には「税金計算用の評価額」と「遺産分け用の時価」という2つの物差しが存在します。この違いを明確に理解しておかないと、申告期限間近になって税額の高さに驚いたり、遺産分割協議で親族間の争いに発展したりしかねません。正確な月平均額の算出や、非上場株式(取引相場のない株式)が含まれる場合の複雑な計算については、早めに税理士などの専門家に相談し、シミュレーションを行っておくことが資産を守る鍵となります。

5. 自己判断は危険信号!複雑な株式評価を税理士に依頼すべき本当の理由

相続税申告において、最も計算ミスが起こりやすく、かつ税額への影響が甚大な項目の一つが「株式の評価」です。上場株式であれば証券会社から届く残高証明書などで比較的容易に確認できますが、問題となるのはオーナー企業や同族会社などの「非上場株式(取引相場のない株式)」です。この評価プロセスは極めて複雑かつ専門的であり、インターネット上の情報や市販の書籍を参考に自己判断で算出することは、将来的に取り返しのつかない事態を招く危険信号と言えます。ここでは、なぜコストをかけてでも税理士に依頼すべきなのか、その核心的な理由を解説します。

まず最大の理由は「税務調査による追徴課税リスクの回避」です。非上場株式の評価は、会社の総資産や従業員数、取引金額などに基づき、会社規模を「大会社」「中会社」「小会社」に区分することから始まります。さらに、株主が同族株主か否かによって、原則的評価方式(類似業種比準方式・純資産価額方式)と特例的評価方式(配当還元方式)を厳密に使い分けなければなりません。この判定区分を一つでも誤り、評価額を不当に低く申告してしまうと、後の税務調査で否認される可能性が非常に高くなります。その結果、不足分の税金に加え、過少申告加算税や延滞税といった重いペナルティが課され、当初の税理士報酬をはるかに上回る支出を強いられるケースが後を絶ちません。

次に、「過大評価による無駄な納税を防ぐ」という点も重要です。税金は安く申告することだけがリスクではありません。複雑な評価規定の中には、特定の条件下で評価額を引き下げることができる減額要素が存在します。例えば、土地保有特定会社や株式保有特定会社の判定など、専門的な知識がなければ見落としてしまうポイントが多数あります。自己判断で高すぎる評価額のまま申告し、本来払う必要のない多額の相続税を納めてしまうことは、資産を守る観点から見れば大きな損失です。相続税に精通した税理士であれば、適法な範囲内で最大限評価を下げる方法を検討し、適正かつ有利な納税額を算出することが可能です。

さらに、税理士へ依頼することで「中長期的な節税戦略」が可能になります。株式評価は単なる計算作業にとどまりません。事業承継税制の特例措置の適用可否や、後継者への株式移転のタイミング、生前贈与との組み合わせなど、二次相続まで見据えたトータルプランニングを受けることができます。

相続税申告は期限との戦いでもありますが、申告後の安心感を得るためには正確性が何よりも求められます。複雑怪奇な株式評価の迷路に迷い込む前に、専門家である税理士のサポートを活用することが、結果として納税者の利益と精神的な平穏を守るための最短ルートとなるのです。