会社相続と非上場株式の評価の問題

会社の相続に伴い承継した非上場株式・未公開株式の価値評価

会社の相続に伴い、遺産分割により非上場株式・未公開株式を相続することとなります。

遺留分減殺請求の結果、非上場株式・未公開株式を相続することもありますし、遺留分減殺請求の結果、非上場株式・未公開株式を他の相続人に引き渡すこともあります。

しかし、非上場株式・未公開株式の評価は一律ではありません。

非上場株式・未公開株式の価格は、相続税評価額については、財産評価基本通達に従って計算されることになり、基本的に、①類似業種比準方式と、②純資産価格方式を総合して決定することとなりますが、その類似業種批准方式の計算自体についてもさまざまな不確定要素があり、純資産価格方式についても決算書の数字をそのまま拾って来ればよいものではなく決算書に基づき実態純資産を計算しなければならず、その中には計算する人の評価が大きく介入します。

また、相続税評価額について、下記のような場合は、財産評価基本通達に従って計算する必要もなく、むしろ実態に即した計算が行われるべきであり、やはり、非上場株式・未公開株式の評価は一律ではありません。

                 記

①評価通達による評価方法を形式的に適用することの合理性が欠如している場合(評価通達による評価の合理性の欠如)

②他の合理的な時価の評価方法が存在する場合(合理的な評価方法の存在)

③評価通達による評価方法に従った価額と他の合理的な時価の評価方法による価額の間に著しい乖離が存在する場合(著しい価額の乖離の存在)

④納税者の行為が存在し、当該行為と③の「価額の間に著しい乖離が存在すること」との間に関連がある場合(納税者の行為の存在)

の四つの点が判断基準となると考える。

このように、非上場株式・未公開株式の評価が一律ではないということとなると、会社の相続において、遺産分割や遺留分減殺請求の際に、非上場株式・未公開株式の価格をどうするかにより、相続すべき遺産は大きく変動します。

非上場株式・未公開株式の評価が遺産分割に大きく影響する

非上場株式・未公開株式を相続する相続人にとっては、非上場株式・未公開株式の価格は低い方が良いということとなります。そうすれば、他の相続人に対して代償分割すべき金額を低くすることができますし、非上場株式・未公開株式以外の遺産の分割にも預かることができるかもしれません。

非上場株式・未公開株式を相続しない相続人にとっては、非上場株式・未公開株式の価格は高い方が良いということとなります。すなわち、非上場株式・未公開株式の価格が高ければ、他の相続人に非上場株式・未公開株式以外の資産を遺産分割又は遺留分減殺請求する金額が少なくてよくなり、相対的に自身が相続する金銭その他の資産の額が大きくなります。

そもそも、非上場株式・未公開株式の時価は相続税評価額とは異なる!!

さらにそれ以前の問題として、非上場株式・未公開株式の時価は相続税評価額とは異なります。

非上場株式・未公開株式の相続税評価額は、相続に伴い株式が散逸し事業の承継が困難にならないようにとの意図の下、非上場株式・未公開株式の時価に比べて低い金額となります。相続税評価額は、非上場株式・未公開株式の相続人に有利な金額になることが多いのです。

遺産分割や遺留分減殺請求において、非上場株式・未公開株式は、その本当の時価に基づいて、相続比率に従って遺産分割や遺留分減殺請求されるべきものです。相続税評価額をうのみにしてはいけないのです。

遺産分割協議では非上場株式・未公開株式の時価を主張する必要性

ですので、遺産分割協議では非上場株式・未公開株式の時価を主張する必要があるということとなります。

そのためには、税理士に非上場株式・未公開株式の相続税評価額を計算してもらうのにとどまらず、公認会計士に非上場株式・未公開株式の時価を算定してもらい、それに基づいて、遺産分割交渉や遺留分減殺請求をすべきなのです。

また、非上場株式・未公開株式の時価も、上記のとおり一律ではありません。

相続人間で入手した公認会計士の非上場株式・未公開株式の価格評価書を持ち寄り、どこが正しくでどこが誤っているのか、非上場株式・未公開株式の価格評価書記載の各要素ごとに主張立証を展開する必要があります。

任意の遺産分割協議の中でまとまらなければ、遺産分割調停を申し立て、調停の中で非上場株式・未公開株式の価格評価書の各要素について主張を展開しなければなりませんし、遺産分割裁判になったら、非上場株式・未公開株式の価格評価書の各要素について主張立証を展開しなければいけません。

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